2015年10月10日

蝉類博物館を見にゆく

何日か前に宇都宮の師匠から、石神井公園ふるさと文化館で蝉類博物館というイベントがあるので行ってみたらとメールがあった。

家内を西武線石神井駅の近くまで送って行く用事があったので、ちょっと足を伸ばした。

駐車場に車を止めて、文化館まで公園のなかを歩いて行く。

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石神井公園の一部 公園はこんな雰囲気だ。

歩くこと10分で文化館へ到着。

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入口の告知

展示室の内部は撮影禁止なので、ここから先の写真はなし。

2階の企画展示室へ行き、300円払う。

日本にいる蝉は35種といわれているので、チョウの240種に比べたらうんと少ない。
だが、展示室へ一歩足を踏み入れて、標本箱の数と展示物の多さにビックリ。

これらを蒐集した加藤正世博士ついて、全く知識がないのでパンフレットから簡単に紹介すると、
大正から昭和初期にかけて活躍し、石神井公園に隣接する自宅に加藤昆虫研究所と蝉類博物館を開館した。これらの展示を通じて昆虫学を普及させ、多くの論文や著書を著した昆虫学者で、昭和初期の昆虫黄金時代を築いた主要な人物
と書いてある。

この展示は、故郷へ里帰りした企画だといえる。
入口の近くから蝉の標本がズラッとあって、端からつぶさに見て行く。
セミがカメムシ目で、アワフキ、ツノゼミ、ヨコバイ、ハゴロモ、ウンカ、アブラムシの仲間だという程度の知識しかなかったので、新しい知識を得ておおいに楽しく、それらの展示物は昆虫学者の域を越えて、博物学者といえる程ボリュムがあり、出口まで3時間かかってしまった。
昭和の初期にこれだけのものを残した加藤博士に敬意を払いながら、ふるさと文化館を後にした。
11月29日までやっているようなので、興味のある方はHPで確認のうえ、出かけてみては如何でしょう。

帰りは、友人おすすめの手づくり豆腐のお店に寄って、よせ豆腐を買った。
展示会の余韻が残っていたが、知識より食欲が勝った格好だ。


posted by massy at 12:00| Comment(0) | その他の動物

2015年07月08日

6月下旬 カメムシ目編

コウチュウ目とともに、カメムシ目も大収穫で、大いにストレスを発散した。
結論からいうと、12種類のカメムシを撮影した。
体長5〜20ミリの比較的目立つ種ばかりだが、カメムシは0.5〜2ミリ位のサイズのものが沢山いるので、見逃しているものも多いと思う。

昨年、東大駒場キャンパスにある自然科学博物館へ行った時,東大の敷地内で採取したカメムシの標本が展示してあったが、2/3は2ミリ以下の大きさであった。
写真では簡単に拡大出来るので実物の大きさを掴みにくいが、この標本を見て実物を見る大切さを感じた。
これを見てから、ますますカメムシに興味を持ち、いまではカメムシ大好きジジィを自認している。

撮影順に並べると

クサギカメムシ.jpg
クサギカメムシ

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ホシハラビロカメムシのペア

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ノコギリカメムシ
地味なカメムシで、自分でも良く見つけたなと思う。

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オオメカメムシ
5ミリ位の大きさで、撮った時はカメムシだと気づかなかった。。

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オオクモヘリカメムシのペア
右側に写っているのはコフキゾウムシ。

ブチヒゲカメムシ.jpg
ブチヒゲカメムシ
畑のブロッコリーに付いていた。

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セアカツノカメムシ
私の襟に飛んできたものを、家内に撮ってもらった。

オオヘリカメムシ.jpg
オオヘリカメムシ

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ツノアオカメムシ
この写真を撮ったあと角度を変えようと1歩踏み出したら、10cm以上ある黄金色の毛虫が目の前のススキにいて、毛虫とヘビ嫌いの私は撮影意欲を失った。

サジクヌギカメムシ.jpg
サジクヌギカメムシ

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ヨコズナサシガメ

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アカサシガメ
派手な色で、独特の形をした口吻がみてとれる。

これらのカメムシは半分以上が初見、初撮りで、カメムシ大好きジジィを喜ばせた。
コウチュウ目とカメムシ目が短時間でこれだけ撮れたのは、相棒がいたからだ。
「これなあーに」の声で、4割ぐらいは相棒の功績だ。
4つの眼で捜した方が能率が良いということだが、たびたび「これなあーに」と声がかかると先を越されたようで、10年も自然観察をしてきたというプライドが少しキズつき、ちょっと複雑。
でも単純に喜ぶことにして、何度もシャッターを切った。

次はオオムラサキと高原にある湿地のトンボを狙いたいが、3個ある台風の行方が心配だ。



posted by massy at 08:00| Comment(0) | その他の動物

2015年06月11日

横浜からミドリシジミだより 続編

今年のミドリシジミの発生は、4月から気温が高めに推移した影響か1週間から10日早かった。
発生情報を掴むのが遅くやや出遅れの感もあったが、平地での成果は2勝2敗だった。
その2勝も大勝とはいかず、フラストレーションを残して閉幕した。
そして不思議なのは、アカシジミやウラナミアカシジミを1、2頭しか見なかった。
この2種は場所によってはかなりな数発生したようだが、運にめぐまれなかったようだ。

雨上がりにもかかわらず、そんな不運を慰めてくれた虫たち。

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オカトラノオで吸蜜するオオチャバネセセリ

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キイロトラカミキリ
初撮り、またカミキリムシのアルバムが増えた。
鞘翅を半開し、しどけない格好になった。

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ホシハラビロハリカメムシ

ホソヘリカメムシ.jpg
ホソヘリカメムシ

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オオイシアブ
獲物を捕らえて、得意気にみえる。

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ササグモ

チラリと見えたり、すぐ飛び去ったりして写真に残せないものもいたが、ここに掲載した彼らは十分慰めてくれた。

当たり前のことだが、自然観察は出かけてナンボだと思う。


posted by massy at 14:32| Comment(0) | その他の動物

2014年06月20日

梅雨の晴れ間に

今の時期、天気予報が晴れなら出かけたい。
神奈川と山梨の県境あたりへ早朝から出かける予定だったが、明日から来週のスケジュールを考えると無理はできないので、ゆっくり出発して町田市の公園へ行った。

町田市には自然観察に良い公園や場所がいくつもある。
途中の渋滞を考えると、なかなか行く気にならなかったが、ここはトップにリストアップしてあった公園だ。

駐車場に着くと、ウグイスがいい声で出迎えてくれた。
オイ、まだ伴侶が見つからないのかいと思いながら、サービスセンター(管理所)へ行く。
初めてのところは、話を聞いたり、資料を閲覧したりして概要を掴むためサービスセンターへ寄ることにしている。

案内図を片手に、本園へ入って行く。
林間の歩道は風があって涼しい。
周囲を見回しながら、池の方へズンズン下りて行き、池畔の明るい草地に立つ。
しばらく佇んでいたが、草地にも、草地を囲む樹上にも、虫っ気がない。
こりゃ困ったと、案内図を見て山道を登り、虫目モード全開で別の広場の方へ移動し、その後、少し離れた所にある分園までも、被写体を求めて足を伸ばした。
明日からのスケジュールは忘れ、追いはぎが出そうな薄暗い所を抜けたりしながら、アップダウンのある小道を歩いた。

汗をかきかき歩きまわり、やっとゲットした昆虫たち。

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シオヤアブ 雌
獲物をがっちり掴んでお食事中。

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ヤブキリ 雌
立派な産卵管だが、翅が小さいので未成熟個体か。

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カノコガ

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コオニヤンマ
サナエトンボ類では最大種。

もし何も撮れなかったらと、保険に撮っておいた花たち。

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アカバナユウゲショウ

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ヤマホタルブクロ

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オカトラノオ

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イチヤクソウ

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イチヤクソウの花
アップで撮ったら、花柱(めしべ)が飛び出している。

ここのところ出かける度に収穫があり、今日もと期待していたチョウには見事に振られたので、チョウの写真はなし。
スジグロ、キタキ、アゲハ、サトキマ、ヒカゲ、ベニシなどの常連さんはいたが……。
大分歩き回ったが、体力的に明日からのスケジュールは大丈夫だ。

ここへは渋滞を抜けないと来られないと思っていたが、カーナビまかせで走ると、私が想像していたルートとは別ルートを案内し、割り合いスムーズに来られた。
ひどい渋滞に会わずに来られるなら、野猿街道、鶴川街道・鎌倉街道、国道16号に囲まれた地域には、まだまだ自然の残された場所が沢山あるので、これからもアプローチしてみようと思う。


posted by massy at 18:14| Comment(0) | その他の動物

2014年04月29日

4月の外房 動物編

先週、春の外房へ出かけたが、植物編は昨日アップしたので、動物編をアップします。


トンボ沼へは、時間を変えて、3回出かけた。
光線の射し加減で、写り方がちがうのと、トンボの行動時間がはっきりしなかったからだ。

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アジアイトトンボ 雄

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アジアイトトンボ 雌

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アオモンイトトンボ 雄
上記2種は、春一番に出現する。

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ホソミオツネントンボ 雄

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ホソミオツネントンボ 雄雌
越冬中の様子は観察できなかったが、越冬明けの個体。
この3種はすべて初見だ。

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モズ 3日とも同じ木でテリ張りしていた。

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キジ 雄雌×2
トンボ沼の近くの田んぼにて。

ネイチャーセンター付近で

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ヤマカガシ 道路の真ん中で日向ぼっこか?
センターから歩き出したら、いきなり出会って立ちすくむ。
長!! ゆうに1メートルはある。
後ろへ回って、忍び足で通る。
さっき、トンボ沼の縁で、毛虫が群がる木の下を首をすくめて通ったばかりだ。
マッシ―はヘビと毛虫は苦手なので、今日は大当たりだ。
きっと良いことがあるぞと、前向きに考えて先へ進む。

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アカサシガメ
成虫で越冬するので、越冬明けか?

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ツマキチョウ 翅裏に独特の紋様が見える。
アカサシガメの写真を撮っていたら、私もどうぞというように目の前のタンポポへ止まった。
なかなか止まらないチョウが止まったのはヘビと毛虫のお蔭と、あわててシャッターを切る。
目にピントが合っていないが、チャンスはこれだけだった。

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コチャバネセセリ 新生蝶。

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ヒメウラナミジャノメ 新生蝶。
胴体が毛深いのは、ギフやウスバシロのように春の初期に発生する蝶の共通な形態のように思われる。

この他、アカタテハ、ルリタテハ、キタキチョウ、モンキチョウ、モンシロチョウ、ベニシジミ、ヤマトシジミを見かけた。
房総半島を越冬地とするウラナミシジミは、見られなかった。
残念だったが、次の お楽しみ。


<旅行余話>
夜中に目が覚めた。
国道を通る車が途切れると、蛙の合唱が聞こえた。
田んぼや湿地があるのは、国道と並行している線路の向こう側だから、かなり距離がある。
これでは田んぼの近くに住んでいる人はうるさいだろうなと思うのは、自然と縁のない生活をしている人間の考えることか。

夜が白々と明けてきたことが、厚手のカーテン越しに判る。
すると、カラスが鳴きながら飛んでゆく。
それを合図に、小鳥たちがあちこちで一斉にさえずりだす。
スズメ、ヒヨドリ、ウグイス位は声でわかるが、聞きなれない鳴き声も沢山聞こえる。
始発から何本目かの電車が通り、通勤の車がエンジンをかける。
それからややしばらくして、隣のニワトリがのんびりと鳴く。
昨日、卵をザルに入れ、大事そうに抱えて鶏小屋から出てくる人を見かけたが、ここのニワトリはすっかり野生を失っているようだ。

ネイチャーセンターに寄って、いろいろ話を聞いた。
トンボ沼で撮った写真を再生して、名前を教えてもらう。
イトトンボは眼後紋で容易に判別できるというが、自然の中で撮る場合、眼後紋まで写し込むのはむずかしい。
ついでに、私が撮った藤野のギフチョウと狭山のホソオチョウの画像を再生する。
外房にいてこの画像を見ると、藤野や狭山は遥か遠くに感じられ、半日で往復できるところに住んでいる自分は恵まれていると、再認識させられた。

海岸沿いの山道でチョウの写真を撮っていて、向こうから来た人にあいさつをした。
今年の2月に、この付近でしか見られないチョウがいると、わざわざ埼玉から写真を撮りに来た人がいたと話してくれた。
チョウの情報は割愛するが、物好きな人もいるもんだという話しぶりだった。
きっと、私も同類と思われたに違いない。

アジ釣り研究会を2度開催した。
釣り具屋さんで聞くと、ジンタ(小鯵のこと)なら釣れてますよという。
日が傾いてから、釣り開始。
時速30匹位のペースで釣れる。
先ほどまで世間話をしていた隣の人は、釣り方が違うので全く釣れない。
仕掛けを研究して出直しますと、早々に帰って行った。
2時間ほどするとピタッと当りが止まったので、即撤収。
釣り過ぎると、あとの処理に時間がかかって大変だからだ。
結局、2日間で150匹位釣って冷凍にし、それが今晩の食卓にのぼる。

アジ釣り研究会の初日、いつもの場所に車を止めた。
荷物を降ろしながら後輪を見ると、何だか様子がおかしい。
こりゃ空気が漏れているなと思い、さっき寄った釣り具屋さんで近くのガソリンスタンドを教えてもらう。
スタンドで調べて貰ったら、太い釘状のものが刺さっていた。
パンクなんて何年振りだろう。
ましてや、チューブレスタイヤになってからは初めての経験だ。
こんなんで大丈夫かいな、と思うくらい簡単に修理が終わった。
あの時気付かなければ、釣り終っても、すぐに帰れないところだった。
神様、コスモ石油のお兄様、ありがとう。

イトトンボ3種と金色に輝く小さな甲虫と、ハエの仲間の同定に時間がかかり、アップが一日遅れた。
甲虫とハエはまだ名前が判らない。


春の外房で、なんだ、かんだとテンコ盛りの旅を楽しんだ。


posted by massy at 16:14| Comment(0) | その他の動物