2016年11月17日

秋の夜長に

前々回と前回、ホソオチョウと渓流の産卵シーンを掲載した。
そのとき使った写真のフォルダーに残った数百枚を閲覧していたら、このままボツにしてしまうには惜しい写真があったので、ランダムに掲載してみようと思う。
11月の初めの撮影だからちょっと新鮮さに欠けるが、ここのところ新しいネタがないので、まっいいか。

まず、私の好きなカメムシから。

ホシハラビロカメムシ.jpg
ホシハラビロカメムシ
電柱のステップが暖まって、居心地がよさそうだ。

キマダラカメムシ.jpg
網戸の内側にいたキマダラカメムシ。
この種は北進中だ。

オオトビサシガメ.jpg
オオトビサシガメ
撮影枚数は少なかったが、先曲がりの独特の口吻が確認できたので名前がわかった。

ナツアカネ.jpg
ナツアカネがにらめっこしているように撮れた一枚。

オツネントンボ.jpg
3頭のオツネントンボが写っている。
こんな狭い範囲に3頭も写るなんて、さすが多産地だと思う。
トンボのなかでも華奢なオツネンが今年もここで越冬すると思うと、頑張ってと応援したくなる。

ムラサキシジミ.jpg
突然足元へ飛んできたムラサキシジミ。
ここでムラシを見るのは初めてだが、オツネントンボと同様に無事冬を越してほしい。

ミノムシ.jpg
最近、見かけなくなったミノムシ。
正統派のミノムシに思わずカメラを向けた。

モズ.jpg
モズの1年子
ガラス戸越しに撮ったら、絹目調のような画になった。

モズと葉.jpg
猛禽類のモズがカキの葉と戯れるなんて、こんなシーンは初めて見た。
これはガラス戸をそっと開けて撮った。
モズが身近に飛来すると、秋深しの感がする。

秋の夜長に写真を見ていたら、シャッターを切った瞬間がいろいろと思い出された。
今年の虫のシーズンはほぼ終わり、冬鳥のシーズン到来となる。
どんな鳥と出会えて、どんな思い出となるだろうか。



posted by massy at 18:57| Comment(0) | その他の動物

2016年11月10日

秋の午後のこと

昼飯を食べながら、午後から体があいたのでどうしようかなと思案していた。
頭の中の地図で東へ走ったり、西へ走ったりしても良い場所を思いつかない。
ややしばらくして、良く通るところだが上から覗き込んだことがない赤い橋を思いだした。
私は釣りが好きなので橋を渡るとき必ず川相を見ることにしているが、この赤い橋は水面から橋までの高さがあるためか川相が全く見えない。

それなら気の済むまで覗き込んでやろうと厚手のコートを着て、双眼鏡とテレコン付きカメラを持って出発した。
車を止めるところがないので、近くのお寺の参道わきに車を置き赤い橋をめざす。
ゆるやかな坂になっている道を登って行き、橋の中央部へ着くころにはうっすらと汗をかいていた。

初めて見る川の様子。

太い.jpg

細い.jpg
ふた筋に分かれて、いい渓相をしている。

水面から20m近くあるので高所恐怖症の私にはちょっと辛いが、双眼鏡で下流部を丹念に探す。
ハクセキレイが何羽か飛び交い、キセキレイが1羽見える。

細い流れの方へ行き、こちらも丹念に探す。
ときどき、赤トンボが視界を横切る。

道路を横切り、橋の向こう側へ行って上流部を丹念に探す。
橋の縁に肘をつき、双眼鏡の視界が動かないようにして探すが、ハクセキレイが飛び交うだけだ。
それでもジッと見ていると、何かが一直線に視界を横切り、橋の下をくぐって下流部へ飛んだ。
慌てて道路を横切り、下流部を探す。
かなり遠くの石の上に何かが止まっている。
色からするとカワガラスだろうか。
地味な色と逆光で、カメラを向けるのをあきらめる。

こんな事をしながら、2時間近く飽きずに眺めていた。
陽が傾きかけ、風も少し冷たくなったのでそろそろお終りにしようかと思いながら、細い流れのトロ場を覗きこんだ。
トロ場なので川底が良く見え、川底に映る光の影のあいだに悠然と泳ぐ大型の魚が見えた。
この辺りはヤマメとイワナの混棲地域なので、多分そのどちらかだろう。
ここは何キロにもわたって両岸が切り立った崖となっているので、この魚たちが守られているのだ。

なおも周りを探すと、流れのあるところに大型魚のペアを見つけた。

ペア.jpg
あとから見た産卵行動からすると、左が雌 右が雄。

産卵.jpg
産卵して砂煙が立っている。

産卵 横.jpg
TVで見る産卵シーンのように、体を横倒しにして産卵。
ヒレや口の先が白く傷んでいる。
今まさに鮭鱒類の産卵の時期なのだ。

水中の出来事なので写真の写りは悪いが、貴重なシーンを目のあたりにした秋の午後だった。



posted by massy at 21:05| Comment(0) | その他の動物

2016年09月12日

帰り道の途中で

ホソオチョウを見に行った帰り、途中でちょっと寄り道した。

適当なところで車を止めて細い流れ沿いに登って行くと、葉っぱの上にちょこんと鎮座ましましていた。

ニホンアマガエル.jpg
ニホンアマガエル
ニホンアマガエルは環境に応じて体色を変化させる。
緑色の葉にこの色はないだろうと思うが、のんびりして緑に変わるのを忘れてしまったようだ。

カエルを見ていたらオニヤンマが飛んできたので目で追うと、川岸の木陰に飛び込んだ。

オニヤンマ.jpg
オニヤンマの産卵
尾端を水底に突き立てるように産卵する。
木陰の暗いところなのでISO3200にしてもSS1/400しか稼げず、翅の動きを止めて撮影できない。

収穫が少ないので、もう一ヶ所回った。

ササ原に茎をのばすアザミにミドリヒョウモンが飛来した。
盛りはとっくに過ぎているようにおもえるが、まだ蜜をだすのだろうか。

ミドリヒョウモン.jpg
翅表の緑色の強い雌。

ミドリヒョウモンの写真を撮ってクマザサの中をガサゴソ歩いていたら、白いシジミチョウが飛び出した。
翅表が黒く翅裏が白いので、チラチラして目で追うのに苦労する。

ゴイシシジミ 開翅.jpg
ゴイシシジミ
翅表の白斑が小さいので雄のようだ。
ここでは8月の初めによく見られるので、今頃は見られないとあきらめていた。

ゴイシシジミ 閉翅.jpg
発生が長期に亘っているのか、こんな擦れた個体もいた。
ゴイシシジミは完全な肉食性で、ササにつくアブラムシを捕食する。
ここへ来たときはアブラムシがいないかササの葉をひっくり返してみるのだが、見かけたことはない。
全部で8頭のゴイシを確認したので、餌もそれなりに豊富なのだろう。

車へもどる途中で、葉っぱの上に一頭だけ乗っかっていた。

ジュウジナガカメムシ.jpg
ジュウジナガカメムシ
カメムシらしくないデザインで目立つ色の取り合わせだが、警戒色になっているのだろう。
数メートル離れた所にジュウジナガカメムシの集団がいた。

ジュウジナガカメムシ 集団.jpg
これだけいると超グロい。 
あちらこちらに、こんな集団が6個ほどあった。

すぐ近くでカミキリムシを見つけたが、足場が悪くて写真がこの方向からしか撮れない。
何とか背中側から撮ろう足場を確保していたら、危険を察知したのかポロリと落ちてしまった。

クワカミキリ.jpg
クワカミキリか?

これらは夏の暑さの残る9月の初めの出来事だが、アップする頃には庭でコオロギがいい声で鳴き出した。
グッバイサマー、ウェルカムオータム。



posted by massy at 22:40| Comment(0) | その他の動物

2016年08月11日

高原の生き物たち

7回にわたった「高原の・・・」シリーズの最終回です。
花、チョウ、トンボ、カミキリムシのグループに分けて掲載したので、そこのグループに入らなかった虫やカエルを掲載します。
特にカエルは貴重な写真です。

先ず、コウチュウ目から

セマダラコガネ.jpg
セマダラコガネ
帰化植物のビロードモウズイカについていた。

オオトラフハナムグリ.jpg
オオトラフハナムグリ
初見、初撮り。

オオニジュウヤホシテントウ.jpg
オオニジュウヤホシテントウ
キュウリの葉のうらにいた。
ピンは甘いが、初見、初撮りなので掲載しました。

カメムシ目では

ホソヘリカメムシ.jpg
ホソヘリカメムシ
何を勘違いしたか、林の奥の松の倒木を這っていた。
カメムシにしては臭いがしない種だという事を知った。

ブチヒゲカメムシ.jpg
ブチヒゲカメムシ
別の場所のビロードモウズイカについていた。

エゾハルゼミ.jpg
エゾハルゼミ
草原の小道を歩いていたら、ススキにしがみつくようにしていた。
背中にマクドナルドのマークを背負っているのですぐ判る。
羽化から少し時間が経っているらしく、覚束ない声で鳴いていた。
林の中で鳴く声は聞くが、こんな近くで見るのは初めてだし、撮ったのも初めてだ。

カワゲラ目では

オオクラカケカワゲラ.jpg
オオクラカケカワゲラ

小さな沢の向こう岸の葉の上に、青い何かが張りついているように見えた。
ズームして撮ったら、ニホンアマガエルの色素異常の個体だった。

ニホンアマガエル 色素異常.jpg
捕獲して、オオムラサキセンターのようなしかるべき施設で展示してもらおうかと考えたが、向こう岸は工場の敷地内を通らなければ行けないし、こちらからも渡れない。
捕獲する道具もないので、私一人の宝物として写真に収めた。

ニホンアマガエル 正常.jpg
ニホンアマガエルの正常個体

梅雨の空模様を気にしながらの高原行きとなったが、自宅に帰って写真を整理したら予想外な収穫だった。
いつも思うことだが、自然観察は出かけてナンボだ。

梅雨明けからの天気は、出かける気力を失わせるほど暑い。
TVでオリンピック観戦しながら体力を温存しておいて、旧盆すぎに高原へ再チャレンジしたい。



posted by massy at 10:00| Comment(0) | その他の動物

2015年12月10日

ヒグマと生きる未來を考える

昨日モンベル渋谷店でおこなわれた、日本エコツーリズム協会が主催する有料講演「ヒグマと生きる未來を考える」を聞きにいった。
ゲストスピーカーは公益財団法人知床財団・企画調整参事の岡本征史さんで、自然センターからフレペの滝の観爆台まで遊歩道を案内してもらったことがある人だ。

講演.jpg
講演会場

知床半島は流氷の南限にあたり、海と陸にかかる食物連鎖が形成されており、生態系と生物の多様性が登録基準をみたして、海洋部分を含めて世界遺産になった。
世界遺産になるまえに、ここの自然を観光開発から守るために、「しれとこ100平方メートル」運動があったことはつとに有名だ。
知床半島にはメスと子熊合わせて250頭くらい、それにオスを加えると300〜350頭ぐらいのヒグマがいるらしい。
そのほか、キタキツネや自動ドアが開いたのでボーイさんがあいさつして顔を上げたらエゾシカがいたというほどシカは多いし、それにオオワシや絶滅危惧種のシマフクロウなど野生動物は多い。
1800人弱の住民や年間120万人以上の観光客と、それら野生動物との折り合いをつける難しさや苦労話は聴いてみなければわからなかった。
取り締まり権限が無いため、チョウの写真を撮るカメラマンとネットマンとの確執以上の現実に直面するような事があるようだ。

皆様も、知床財団や日本エコツーリズム協会のHPで講演スケージュルを確認して行かれてみてはいかがでしょう。
そして、知床財団への援助もお願いします。(2000円以上を超える分で税制の優遇措置が受けられます)
勿論、私も援助します。

私が行ったときも子熊が遊歩道を横切って森の奥へ帰っていった。
岡本さんは付近にいた観光客を呼び集め、無線でセンターへ連絡し、ゴム弾を撃つ銃をかついだ若い人を飛んできた。
そのあと、遊歩道が立ち入り禁止になった事はいうまでもない。
知床五湖や湯滝へゆく路側では沢山のキツネとシカを見た。

時期的にサケの遡上が始まる時期だったので、クマ達も海岸へでてきていた。

クマの親子.jpg
サケの様子を見に行くベーと海岸へでてきた親子のヒグマ。
一番左の親グマは位置測定のGPS発信機を首につけている。

様子見.jpg
遡上するサケを狙う。
揺れる船上から、800ミリで狙っているのでややボケだ。

一昨日は新宿へ、昨日は渋谷へでかけた。
2日連続で都会へ行くなんてレアケースだが、想定外のことが起きて2週間以上思ったように出かけられない。
都心へ向けて行くより自然の豊かなところへ行きたい。
テレコン付のカメラを用意して、来週には鳥撮りに出かけよう。 


posted by massy at 15:24| Comment(0) | その他の動物