2023年02月26日

旅立ち

前回のブログに掲載したヒメハジロが旅立ちました。

12月7日、多くのカモ類に混じって、白い模様のカモがいるのを発見し、カメラに収めた。
周囲に尋ねる人も無く、自宅へ戻って図鑑で素性が判った。
図鑑には迷鳥と書いてあったので、1週間ぐらいで何処かへ行くだろうと思っていた。
何時まで居るか確かめるために始めは1日おきに川へ通ったが、日に日にカメラマンの数が増え、珍しい鳥が飛来したことを実感した。
このヒメフィーバーともいえる現象は年明けまで続き、最近では10人程度まで減っている。
私も1週間に1回程度川へ行き、泳ぐ姿を確認して、写真を撮らずに帰って来ていた。

先週はヤボ用が重なり、川へ行けなかった。
今日行って見たら、カメラマンが一人もおらず、ヒメも居なかった。
近くでフィールドスコープを覗いている方に尋ねたら、18日が最後だったようですと言われた。
それを聞いて、他の場所へ移動しているのではないかと下流方面のカモやサギ類の集まる場所を見に行ったがその姿はなかった。
何時まで居るか、1羽で帰れるのかと心配していたが、ついにお別れの日が来てしまった。
2ヶ月ちょっとの間、いい夢を見させてもらった。

ピンボケや配置の悪い写真は削除して、500枚位の写真が残った。
その中から、思い出の写真を載せて見た。

12月7日.jpg
12月7日のヒメハジロ
名前が判らなったので、とにかく激写した。

潜水.jpg
浮上しても短時間で潜水してしまうので、タイミングが悪いとこんな写真になってしまう。

オオバンと.jpg
1羽では寂しいのか、オオバンと寄り添うように泳いでいる。

ホオジロとヒメ.jpg
こちらは、ホオジロガモのメスと一緒。

ヒメハジロ 潜水.jpg
3週間ぐらい前には人馴れして川岸近くへ来るようになり、潜水する姿が良く見えた。

羽繕い.jpg
泳ぎながら羽繕い。

羽ばたき.jpg
立ち上がっての羽ばたき。

最後.jpg
2月9日に撮ったこの写真が最後になった。

さよなら、ヒメハジロ。そして楽しませてくれてありがとう。

ヒメハジロのお陰で、ここがカモ類の越冬地として知られたのか、以前より訪れる人が多くなった。



posted by massy at 18:00|

2023年02月23日

春遠からじ

節分、立春が過ぎ、ガラス戸越しに見る陽光も春めいてきた。
そんな日差しにつられ、春気分で出かけると意外に寒かったりするのが今頃の陽気だ。
それでも、日に日に春遠からじと感じる。

昨年の12月に飛来したヒメハジロは、ひと冬をここで過ごした。
見つけた当初は1週間程度でどこかへ行くだろうと思っていたが、この川原でヒメフィーバーを起こした。
連日、大勢のカメラマンが詰めかけシャッター音が響いたが、最近では10人程度に減り、泳いでいる姿を撮り飽きた人は飛び立つ姿を撮ろうと、寒風に晒されながら根気強くチャンスを伺っている。
一時行方不明になったとの情報があったらしく、カメラマンが一人もいない日があった。
鳥屋さんの情報の速さに驚くが、その日ヒメハジロは戻って来ていて、悠然と泳ぎまわる姿を独り占めした。
飛来当初、広い川幅の中程より向こう側にいたが、最近では人馴れして手が届きそうなところまで来るようになった。

ヒメ 潜水.jpg
近いので、潜水する姿が川岸から丸見えだ。

この川原の上空にはオオタカが頻繁に出現する。
ある日川に着いた時、オオタカが上空で左旋回するのが見え、何か白いモノを掴んでいるように見えた。
地味な色のカモ達に混じって、白く目立つヒメハジロは襲われる危険があり、「やられたか」と思った。
川原を斜めに突っ切って、ヒメハジロが居る方向へ急いだ。
ススキの間から何台ものカメラが見えたので、「大丈夫だった」と安心した。
最近では、何時までいるのだろうかとか、一羽で北米の方まで帰れるのだろうかとか、写真もそっちのけで噂しあっている。

昨年来よりヒメハジロが話題を提供してくれているが、その他の成果は乏しい。

クロスジフユエダシャク 1 .jpg
クロスジエダフユシャク
昨年末に1頭だけ見つけた。
フユシャクシーズンの初期だったので、その後あちこちへ出かけたが全部空振りだった。
フユシャク類は成虫になると食事をしない、と言うよりも水分を摂取すると体内で凍ってしまうので食事器官が退化したと考えられている。
それでも、1ヶ月程度は活動するらしいから凄い生命力だ。
メスは翅も退化している。
歩き回りながら、尾部から出すフェロモンでオスを呼び交尾する。
そういうメスを長年探しているが、今シーズンも会えず仕舞になりそうだ。

ツグミ 1 .jpg
ツグミ 2月になって今シーズンの初見。
いつもは12月にいるはずのグランドへ出かけていたが、飛来数が少ないのか最近になってようやく出会えた。

カンアオイ.jpg
カンアオイ
定期的に観察しに行くが、まだ花をつけていない。

ハンノキ.jpg
ハンノキ
条件的には有ってもおかしくないと探していたら、池の端に1本だけ生えているのを見つけたけれど、1本だけでは私の好きなミドリシジミを期待できないだろう。
花粉飛散の先駆けとなる木だが、房状の花はまだ咲いていない。

もうすぐ陽当たりの良い南向きの土手に、新生チョウや成虫越冬したチョウたちが現れるだろう。
それまで、もう少しの辛抱だ。



posted by massy at 16:00|

2023年01月24日

ヒメハジロのその後

ここでヒメハジロは初めて見たのは、12月7日の午後だった。
一人で川辺を歩きながら、オオバンの群れの中に白い鳥が混じっているのを見つけた。
潜水と浮上をせわしく繰り返す鳥で、ようやく写真に収めた。

ヒメ 潜水.jpg
潜水
浮上したところをファインダーに収め、シャッターを切るとこんな写真が多かった。

帰宅して名前を知り、解説に迷鳥とあった。
迷鳥ということは、滅多に見られないということか?
後に話した人は、一生に一度見られるかどうかですと言っていた。

1日おいて百人を超すギャラリーが集まりだし、以降連日大賑わいでそれは年末まで続いたが、最近は10〜20人程度になった。

オオバンとヒメ 2.jpg
ヒメとオオバン
川幅の広い所の真ん中あたりで、オオバンと付かず離れずしながら泳ぐ姿はかわいらしかった。
その後も、オナガガモやホオジロガモと寄り添うように泳ぐ姿を見ている。

ホオジロとヒメ.jpg
ヒメハジロとホオジロガモのメス
日没直後の写りの悪い証拠写真。

最近コイ釣りの人が入るようになり、カモ達が上流部と下流部に分かれるようになった。
ヒメは上流部の川幅の狭いところにいて、すこし人馴れしたのか単独行動が多く、写真は撮りやすくなっている。
初めの頃は浮上してくると一斉にシャッター音が響いたが、川岸のカメラマンもありきたりの写真は撮り尽くしてしまったのか、羽ばたきとか飛翔のシーンを狙って構えていて、浮き沈みを繰り返すヒメを見つめている。
私もブログに載せる程度の写真は撮ったし、動画も撮ったので、カメラを出さずに見守っている。

こういう鳥は1週間程度でどこかへ飛び去ってしまうケースが多いが、1ヶ月と3週間たった今でもここに居る。
何時までいるかしらと、岸辺に集まった人たちが口にし始めている。
白い鳥は目立つので猛禽類に狙われそうだと鳥好きの友人が心配していた。
確かに、ここはオオタカが頻繁に出現するので、襲われないか心配だ。

ここで無事冬を越して貰いたいと願いながら、フユシャク探しの合間に観察を続けようと思っている。


posted by massy at 15:27|

2022年12月23日

迷鳥現る

今年も残り少なくなった。
前回は11月の末に更新していて1ヶ月ぶりの更新だが、冬鳥が飛来してくるようになると珍しい鳥が混じる事があると予言しておいた。
その予言が現実になった。

いつもの所へ鳥の様子を見に行くと、オオバンの群れの中に白い鳥が1羽混じっていた。
鳥にあまり詳しくないので家で調べることにして、とにかく撮っておこうと激写した。
頻繁に潜水を繰り返すので撮りにくかったが、良く観察しているとどの辺に浮上してくるか予測できるようになったので、浮上するのを待ち受けて撮影した。

ヒメハジロ 1.jpg
ヒメハジロ オス
特徴的な羽色から、すぐヒメハジロだと判った。
国内での確認例が少ない迷鳥らしい。
鳥好きな友人に連絡したら、ビックリするほどの幸運ですね!と返信が来たけれど、虫屋にとって鳥の順位は低くいので、「フーン、そうなんだ」という程度しか感じなかった。

1日おいて、もう他所へ飛んでいたかもしれないと思いながら川へ行ってみた。
岸辺に優に100人を超すカメラの放列が出来ていてビックリ、鳥屋さんの情報の速さに驚いた。
例の友人に話したら、今は携帯電話があるのでその場から連絡して、ねずみ講的に情報が拡散すると教えてくれた。
一昨日は独り占めで撮影できたのに、今日は騒然とした中でシャッターを切った。
ギャラリーが多いと鳥も神経質になるのか浮上時間も短く、浮上してもすぐ潜ってしまうのでファインダーに捉える事が難しく、証拠写真程度で止めてしまった。
時々撮影機材のカタログを眺めて価格を知っているので、カメラ本体、望遠レンズ、三脚の3点セットで100万円を超すような機材がズラリと並んでいると見当が付く。
この岸辺はン億円の価値があると、鳥の観察そっちのけで眺めていた。

1週間たって、川の様子を見にいった。
ギャラリーは少し減ったが相変わらずの盛況で、これを見ると友人の幸運ですと言った意味がわかった。
私もすごい事だと認めざるをえない。

ヒメハジロも潜水と浮上を繰り返していた。
浮上して泳いでいる時間は相変わらず短いけれど、オオバンが小飛びした時一緒に飛び立ってすぐ着水した。
着水後連写で狙っていたら、珍しく浮上している時間が長く、立ち上がるようにして羽ばたくシーンが撮れた。

ヒメハジロ 羽ばたき.jpg
羽ばたき
これはラッキーだ。

初めてなので3日連続で通ってきたと言う人、20数年ぶりに見たという人、浮上している時間が短いので写真が撮れないと嘆いている人等々、ヒメハジロが居る限り岸辺で色々なドラマが繰り広げられる。


posted by massy at 00:19|

2022年11月22日

冬の使者たち

1日置きに歯医者へ通っていた治療が、2ヶ月かかってようやく終わった。
その合間を縫うようにいつも行くの川の定点観測地へ出かけていて、撮った写真を抜いたら結構な種類の冬鳥が写っていた。
今の時期、幼鳥やエクリプスのオスがいたりして判定の難しいことがあるが、時間を掛けて突き止めたときは何となくうれしい。
ただ、写真は10月末から11月半ばに撮ったものであることや観測地は数か所にわたっている事をお断りしておく。

オオバン.JPG
オオバン
冬鳥一番乗りで、10月の最終週には飛来していた。
いまのところ20羽程度だが、これから続々到着するだろう。

マガモ.JPG
マガモ
上陸して採餌している。
オスの頭が緑色なのですぐわかったが3番が飛来した。

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キンクロハジロの幼鳥
色々なカモ類が入り乱れる中で、頻繁に潜水して採餌していたので、カイツブリだと思ってシャッターを切った。
帰宅してパソコンで見たら様子がおかしいので色々調べたら、キンクロの幼鳥だった。
スズガモのエクリプスかもと疑ったが、左のオスに小さな冠毛が出ているので間違いないと思う。

ホシハジロ (1).JPG
ホシハジロの幼鳥
頭頂部から嘴の先端へのカーブが独特なので判別は容易だったが、この場所へは初めて飛来した。

オナガガモ.jpg
オナガガモ
エクリプスのオナガガモ、尾羽はまだ短いので?と思ったが、体の色からして冬羽一歩手前といったところだろうか。

まだ時期が早いので、これらのカモは定着するかどこかへ移動するか判らないが、これからコガモ、カイツブリも飛来してにぎやかになるだろう。
これらに混じって珍しい鳥がやってくることがあるので油断ならない。

冬鳥に混じって居着きの鳥たちも沢山いる。

コサギ.JPG
コサギ
最近コサギを良く見るようになった。この写真には5羽しか写っていないが、全部で11羽集まっている。
脚の先が黄色いのですぐ判る。

ケンカ.JPG
コサギとアオサギのケンカ
餌場を巡ってアオサギがコサギを追い払っていた。
鳥の世界でも体の大きさがモノをいうのだろうか。

アオサギ.JPG
アオサギ
胸の飾り羽根がおじいさんの髭のように見える。

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カワセミ メス

カワセミオス.JPG
カワセミ オス
久しぶりの出会い。
一度終わった河川工事が再び始まって濁り水になる日がある。
濁り水になると全然姿を現さないがこの日はササ濁りだったので、この辺りまで遠征してきたらしい。
来年の繁殖期までに工事が終了してほしい。

冬鳥の飛来で定点観測に行かなければならないし、山の方へフユシャクというガを探しに行かなくてはならないし、年末まで結構忙しい。


posted by massy at 23:33|