2019年08月13日

昭和記念公園

先月の末に梅雨明けしたと思ったら、いきなり生命に危険を感じる程の暑さになった。
冷房漬けの日々を過ごして様子見をしていたが、明日から台風10号の影響で外出できなくなると思い、厳重な熱中症対策をして昭和記念公園へ出掛けた。

入道雲.jpg
着いた頃はこんな夏空だったが、4時ごろから天気が崩れるらしいからのんびりできない。

目的はチョウトンボとキイトトンボだ。
園内に入って、目についた虫を撮って保険をかけた。

アブラ.jpg
アブラゼミ
園内のいたる所でセミ時雨がすごい。

シオヤアブ.jpg
シオヤアブ
前方からヒゲ爺さんのような顔を撮ろうと思ったら逃げられた。

ギンヤンマ.jpg
ギンヤンマ
水路の橋を渡るとき上から撮った、水面近くでテリ張りをしていた。

天気の崩れに備えて持ってきた雨傘を日傘にして、園内の通路を急いだ。
それでもチョウトンボのいる所へ着いた頃には汗が噴き出していた。
持参した冷たいお茶を飲み、落ち着いてから池の水面を見つめる。
すぐ、目の前をヒラヒラと横切る個体を見つけたが、なかなか止まらない。
目で追っていると、やっと止まってくれた。

チョウ 1.jpg
チョウトンボ

チョウ 2.jpg
チョウトンボ
2枚とも同一個体。
光の加減で翅の光り方が違う。
写真では判らないが、例年に比べてやや小ぶりな感じがした。
今年も撮れたから良しとしよう。

他に

タイワン 1.jpg
タイワンウチワヤンマ

タイワン 2.jpg
タイワンウチワヤンマ
初撮りだから2枚掲載しておこう。

ショウジョウ.jpg
ショウジョウトンボ
夏を代表するトンボ。

コシアキ.jpg
コシアキトンボ

他に種類の違うトンボが何頭も飛んでいるのだが、止まらないのでシビレを切らしキイトトンボの発生地へ転進する。

キイトトンボの発生地までは結構歩く。
空を見ると黒雲がわいてきて、ちょっとやばい。
池畔に着いて良さげな場所を覗いてみるが、3年ほど前あれだけいたキイトトンボが1頭もいない。
東京都で絶滅危惧種に指定されている現実をみたような気がした。

そこへヒンヤリした風が吹いてきた。
雲行きから見ても近くで降っているようだ。
パークトレインに乗って、出口へ急いだ。

ひまわり.jpg
車窓からのヒマワリ畑

途中で大粒の雨に見舞われ、徐々に近づく台風10号の影響を感じながら帰宅した。



posted by massy at 22:17| トンボ

2018年06月06日

ちょっと遠くの公園へ

東京に梅雨入り宣言が出た。
フィリピン沖に台風が発生して、北上してくるらしいので、アウトドアで活動する者にとっては天気予報とにらめっこの日々となる。

昨日は、梅雨入り前の貴重な晴れ日だった。
午前中ポッカリと時間が空いたので、前から行きたいと思っていたちょっと遠い公園へ行った。

東京西部には武蔵野台地の末端に、かって豊富な湧水のあった池がいくつもある。
しかし周囲が農地から住宅地に変わって、どこの池も湧水がほとんど出なくなった。
私がよく行く井の頭公園もかっては江戸の飲み水をまかなう程だったが、いまでは湧水は無いに等しく、地下水をポンプアップして賄っている。
ちょっと遠い公園もそんな池を持つ公園だ。

駐車場の日陰に車を止めて、池畔の小路を行く。
2時間しかいられないので気は急くが、その分注意深く周囲を観察する。
ここは23区内でミドリシジミが期待できる貴重な公園だからだ。
今年のミドリシジミはどこも発生が早く時期的に遅いかも知れないが、アジサイの葉の上にポツンと止まっているかもしれないと期待する。

シャッターを切るチャンスがないまましばらく行くと、今日のお目当てを見つけた。

ウチワ 1.jpg
ウチワヤンマ
羽化して間がないのか、揺れる穂先にしがみついていた。

ウチワ 2.jpg
別個体

ウチワ 3.jpg

ウチワ 4.jpg
こちらも別の場所で、2枚は同一個体。
名前の由来となった尾端のウチワ部分が開いているのが確認できる。
名前にヤンマとついているがサナエトンボの仲間で、ヤゴはやや深い池沼に生息する。
ちょうど発生のピークなのか、何頭ものウチワヤンマが水面を飛び回っていた。

ほかのトンボは少なかったが、何種類か見られた。

シオカラ.jpg
シオカラトンボ

コシアキ.jpg
コシアキトンボ

クロイト.jpg
クロイトトンボ 雄の未成熟個体
アシの間にひっそりと止まっていて、小飛びしたので見つけられた。
この池ではこれからイトトンボ達が発生するので、もう一度見に来たい。

トンボを探しながら、見かけたチョウ達。

カラス.jpg
吸水中のクロアゲハ
池でザリガニ釣りをしている親子と話をして、2、3歩あるき始めた足元にいた。

ベニシ.jpg
後翅の青斑がきれいにでているベニシジミ。

2時間弱の探索で、ミドリシジミは予想通りだったが、ウチワヤンマを見られたので満足した。
実はもう一種大型のトンボが見られるのでそれは次回以降の楽しみにしたいが、自分のスケジュールと天気との兼ね合いで6月は何日ぐらい出かけられるだろうか。


posted by massy at 16:39| トンボ

2017年09月16日

夏の高原へ その2

夏休みの後半、出撃のチャンスを覗いながら、やっと1600mの高原へ出かけることが出来た。
高原のチョウ達に目新しいものは居なかったがそれなりに成果があり、胸のつかえが下りたような感じがした。
そしてチョウ達を撮るかたわら、トンボとカミキリの写真をゲットした。

モンシロチョウに見送られて出発し、途中の小さな沢筋に寄ってみる。
今年はアカトンボ達の発生が遅くて少なく、その上異常高温で山の上で暑さをしのいでいた赤トンボ達が8月後半になってようやく戻ってきた。

ナツアカネ.jpg
顔の赤いナツアカネ。

ミヤマアカネ 未成熟.jpg
ミヤマアカネ 雄
翅端の斑紋が白いので、未成熟個体のようだ。

ミヤマアカネ 雄.jpg
ミヤマアカネ 雄
翅端の斑紋が赤いので、成熟個体だ。

沢筋に沿って、大型のトンボがパトロールするように飛んでいる。
目で追っていると、向こう岸の枝に止まった。

オニヤンマ.jpg
オニヤンマ
子供のころの憧れのトンボだ。

沢沿いを上流に向かって歩いていると、護岸のコンクリートの上に張りつくように止まっていた。

オナガサナエ 雄.jpg
オナガサナエ 雄
初見、初撮り。

雄がいれば雌もいるだろうと探したら、イタドリの葉の上で休憩中。

オナガサナエ 雌.jpg
オナガサナエ 雌
初見、初撮り。

目的の草原に着いて、私が名無しの権兵衛池と勝手に呼んでいる池の端で、オオルリヤンマの産卵シーンに出くわした。

オオルリボシヤンマ 1.jpg
オオルリボシヤンマ 緑色型

オオルリボシヤンマ 2.jpg
オオルリボシヤンマ 別個体
朽木の木部に産卵している。
初見、初撮りだがどちらも緑色型なので、名前のようなルリ色の青色型に会いたい。

この池の水辺にはシシウドが数本あって、花期は終わりかけているが近寄ってみると、

ヨツスジハナカミキリ.jpg
ヨツスジハナカミキリ

アカハナカミキリ.jpg
アカハナカミキリ

アカハナカミキリ ペア.jpg
アカハナカミキリ ペア
雄(上)の尾端と雌(下)の尾端が白い管状のもので連結されている。

マルガタハナカミキリ.jpg
マルガタハナカミキリ
初見、初撮りのカミキリムシだ。

チョウが8分、その他の虫が2分ぐらいの力の入れ具合で、初見、初撮りを含めこれだけ成果があった。

この日は薄日程度の日照があり、思い切って出かけておいてよかった。
翌日から帰宅するまで、またぐずついた天気が続いた。
次は台風通過後に出かける予定だが、願わくば好天に恵まれたい。


posted by massy at 15:42| Comment(0) | トンボ

2017年07月10日

更新をサボってました トンボ編

先月末にかなりな枚数撮った写真たちがなかなかアップできない。
ちょっと遠出したので少し疲れが残っていたのと、変化の激しい天気と次々とやってくるヤボ用をこなしていたら体の芯に力が入らず、花や虫達の同定をする根気がなくなり、文章を書くことも億劫になってしまった。
と、更新をサボっていた言い訳をしながら、トンボをアップしようと思う。

4、5、6月と記録的な少雨となり、毎年観察している農業用のため池もうんと水位がさがった。
その岸辺のわずかに生えたヨシに、かなりな数のホソミオツネントンボが見られた。

ホソミオツネントンボ.jpg
ホソミオツネントンボ
前年に羽化した成熟個体。

ホソミオツネントンボ ペア.jpg
ヨシに産卵するホソミオツネントンボのペア
卵は2週間程度で孵化し、2〜3ヶ月のヤゴの期間を経て羽化し、成虫はそのまま越冬する。

干上がった岸辺のヨシの枯草を踏んだら、何頭ものアオイトトンボがユルユルと舞い上がった。

アオイトトンボ 未成熟.jpg
アオイトトンボ 雄

別の野池へ行って見たら、

ショウジョウトンボ 羽化直.jpg
ショウジョウトンボの羽化直の個体。
羽化直の個体は初見で、成熟個体と色が全然違うので同定するのに時間がかかった。

樹間のトンボ.jpg
樹間の葉に止まるイトトンボ。
逆光になったので何トンボか判らないが、偶にはこんなな写真もいいかと掲載してみた。

野池めぐりをした後は、細い水路へ様子を見に行った。
水はチョロチョロ程度しか流れておらず、小さな堰の下の水溜りではヤマメがあわてて身を隠すのが見えた。

ニホンカワトンボ 雄.jpg
ニホンカワトンボ 雄

ニホンカワトンボ 雌.jpg
ニホンカワトンボ 雌
この種は分布の空白地帯になっているのだが、種々調べてニッホンカワトンボとした。

アサヒナカワトンボ 雄.jpg
アサヒナカワトンボ 雄

ノシメトンボ.jpg
ノシメトンボ
翅の先端の黒斑がまだ薄いので、これも羽化直のようだ。

ハバビロトンボ.jpg
ハバビロトンボ 雌

ハバビロトンボ 未成熟.jpg
ハバビロトンボ 羽化直

コオニヤンマ.jpg
コオニヤンマ
水路の上をパトロールするように飛んでいたが、目の前に止まったのであわてて撮った。

トンボは未成熟な個体と成熟した個体とでは体や翅の色が全然違っていたりするので、同定に手間取る。
今年は赤トンボ類の発生が遅くれているようだが、今月になれば水田の上をスイスイ飛び回っていることだろう。

ヤボ用はまだ終わりそうにないが、その合間をみて次回は鳥を掲載します。



posted by massy at 13:27| Comment(0) | トンボ

2017年02月10日

成虫越冬の虫たち

前回のムラサキツバメの探索は空振りしたので、ほかの越冬中の虫達に狙いを定める。
何年も前から成虫越冬には関心があって、探してみるもののなかなか見つからず、越冬中のムラサキシジミを1回見たことがあるだけだ。

今回は、オツネントンボ、ホソミオツネントンボ、ホソミイトトンボの越冬性トンボとウラギンシジミ、キタキチョウのそれぞれの多産地に狙いを定めた。
トンボとウラギンはほぼ同じ場所だが、キタキの多産地は少し離れているので1日でまわると少し時間がかかる。
1月の末から2月の初め、気温の変化が激しかったので暖かい日には飛び出しも期待していた。

南向きの崖線に沿った水田脇の道を行く。
この水田は、時期になると沢山のオツネントンボ2種と少しのホソミイトトンボが見られる。
ホソミイトトンボは関西地方に主に分布し低温に弱く、この辺りが東限のようなので、数の少ないのはしょうがない。

オツネントンボ.jpg
夏に撮ったオツネントンボ
こんな色をしているから、周りの景色に溶け込み探しにくい。

比較的陽あたりが良く、風の避けられる背の低い植木や石垣の間に目を凝らす。
崖線の上へ出る山道沿いで、露出部に突き出たひげ根あたりも探す。
そして頭上の常緑樹を見上げ、白銀に輝くウラギンを探す。
かなり歩いて時間を費やしたので、キタキチョウの場所へ移動する。

道路脇に車を止めると、眼下に棚田が広がっている。
急な畔を下って、土手にへばりついている枯草の根元を探す。
一昨年の春、越冬明けのクジャクチョウがのそのそと出て来た場所なので、キタキの越冬にも向いていると睨んでいた。
もちろん盛期には、たくさんの成虫を見ることができる場所だ。
棚田の畔を一枚一枚下って行き、丁寧にさがす、さがす、さがす。
ずいぶん下まで行ったので、帰りの登りでは汗をかくほどだった。
何も収穫がないまま、本日の探索は終了。

これを3日続けて1頭も見つからなかったので、家内はあきれていたが見つからないのだからしょうがない。

暖かかった日には、テントウムシが出てきていた。

ナナホシテントウ.jpg
ナナホシテントウ

ナナホシテントウ ペア.jpg
ナナホシテントウの交尾
まだ寒いので、無事成虫になるか心配になる。

今回も成虫越冬の虫はナナホシテントウでお茶を濁すことになってしまった。

暖かい時期にあれだけの個体数を見るのだから、1頭も見つからないとは少々情けない。
引き続き探すつもりだが、ゆっくりしていたら越冬の時期が終わってしまう。
あせるなーー。


posted by massy at 18:20| Comment(0) | トンボ