2019年06月15日

アカボシゴマダラ

先月末のちょっと古いはなしです。

公園の植え込みから突き出たエノキが何本か目についた。
よく見ると、その中の1本は葉がきれいに無くなっていたのでアカボシゴマダラの仕業だなと見当がついた。

エノキ.jpg
終齢幼虫の食欲は旺盛で、葉を食する音が聞こえるようだ。

これだけ食痕があるのだからと周辺をみまわすと、蛹がみつかった。

アカボシ 蛹.jpg
色がおかしいなと思いながら、指でツンツンしてみる。
元気な蛹は触るとクネクネ動くが、これはピクリともしない。
取り敢えず写真を撮っておいた。

家に帰って調べると、普通は緑色だが蛹期の末期は環境によってこんな色になることもあるようだ。
気になったので、2日おいて同じ場所に行ってみた。
蛹をそっとつまむと、干からびていた。
蛹になってから寄生バチかサシガメなどにやられたようだ。
大体だが100個の卵から成虫になるのは1頭と言われているように、成虫になるまでの困難を目のあたりにした出来事だった。

日本ではアカボシゴマダラが奄美群島と周辺の島々に固有の亜種として分布していて、東京で10年ぐらい前から見られるようになったものは、中国から人為的に持ち込まれたと言われている。
いまでは関東一円に分布を拡げ、一昨年には山梨県の西部で確認され、公園の管理員の人が自慢気に写真を見せてくれた。
山梨県西部は食餌植物のエノキが非常に多いところなので、短時間で分布が拡がると思われる。

私が初めて遭遇したのは北本市にある自然観察公園であった。
フワフワした飛び方だが飛翔力は強く、荒川流域の秋ヶ瀬公園で初めて確認され後、20キロほど上流の観察公園にいても不思議ではなかった。

アカボシ 開翅.jpg
アカボシゴマダラ ♀ 2010年初撮り

その後、春先だけに現れる白化型を見たいと思っていたら、我が家から数分の小さな公園で見つけた。

アカボシ 春型.jpg
後翅に赤斑のない白化型
樹上にいたものが吸水のため地上に降りてきた。

晩秋の公園へクロコノマチョウを見に行ったとき、薄暗くなった上空をフワフワと飛ぶ姿があった。
夕方だったのでかなり気温が低かったと記憶しているが、寒さにも強いようだ。
アカボシゴマダラはエノキの幼木に産卵するので、観察しやすい。
今頃は1〜2齢の幼虫に育っているはずなので、食痕を見つけたら良く探してみよう。
4列ある背中の突起の3番目が大きく、尾端の突起が開いていないことで見分けられる。

ホソオチョウとともに要注意外来生物に指定されていて、見つけても素直に喜べず複雑な気持ちになるのは私だけだろうか?


posted by massy at 17:44|

2019年05月15日

5年越しの願いが叶った

3月28日にサクラの記事をアップして以来、久しぶりの更新となったが健康上の理由ではないのでご安心を。
家庭の事情や天気の具合で出かける予定がつぶれて更新するネタが無かったり、10連休という未曽有の長期休日に入る前日、ルーターが不調になって更新出来なくなった。
いつも頼むメンテナンスの人に連休明けに来てもらい、やっとルーターが復旧した。
およそ2週間、インターネットができなかったので閑を持て余したが、目は酷使せず休ませることができた。

3月の末に、木村藤香さんの写真展を見に行ったら、ギンイチモンジセセリの写真があった。
後翅の翅裏にでる銀白条があざやかな春型を狙って、それらしき時期にそれらしき場所へ行ったりしたが、準絶滅危惧種で個体数も少なく、さき送りとなって5年がたっていた。
写真展の会場にいた方から、八王子の浅川の河原にいますよとの情報をいただいたので、地図で調べて見当をつけてでかけた。

河原へ行く途中、よそのお宅の壁にいたキマダラカメムシと土手下のハルジオンにホシハラビロカメムシを見つけ、幸先良しとカメムシ大好きジジィを喜ばせた。

キマダラカメムシ.jpg
キマダラカメムシ
東南アジアから台湾原産の帰化種だが、ここ数年で東京周辺でもよく見かける。

ホシハラビロカメムシ.jpg
ホシハラビロカメムシ
越冬明けの個体

土手に上がって川原を見渡し、ススキのある場所をめざす。
歩いていると、ベニシジミ、ヒメウラナミジャノメがいた。

ベニシジミ.jpg
ベニシジミ
これを見つけると、写真を撮らずにいられない。

ヒメウラナミジャノメ 1.jpg

ヒメウラナミジャノメ 2.jpg
ヒメウラナミジャノメの交尾 別個体

ずっとクサフジの群落が続くところで、ひと群だけシロバナクサフジがあった。

クサフジ.jpg
クサフジ

シロバナクサフジ.jpg
シロバナクサフジ 
初めて見た。

その先に、ススキが生えるよさ気な場所があった。
5年も探し求めているので何かカンが働く。
しばらく見回していると、ススキの中からギンイチモンジセセリが飛び出してきた。
見慣れると、3頭ほど飛び回っている。

気温が高いので、なかなか止まらない。
やっと止まったのでソッと近づいて静かにシャッターを切った。
5年越しの願いが叶った瞬間だ。

ギンイチモンジセセリ.jpg
ギンイチモンジセセリ 
銀白条のきれいな春型、夏型は不鮮明になる。
発生から時間が経っているので翅表の鱗粉が落ちているが、初撮りなのでうれしい。 

満足して帰る道すがら、カワセミとオナガを見つけた。

カワセミ.jpg
カワセミ
日が傾いて影を長くひいている。

オナガ.jpg
オナガ
農家の庭のい枝でオナガが止まっていて、カメラを向けたら小飛びして交尾した。
雌が陰になってわかりにくい。

久しぶりに出かけるらしく出かけたら、それなりに成果があった。
やっぱり出かけてナンボだ。


posted by massy at 21:03|

2018年11月28日

久しぶりのお出かけ

午前中の早い時間に体が空いたのでどこへ行こうか迷ったが、埼玉方面の河川敷へ走った。
1時間以上かかる場所へ行くのは、6月に寺家ふるさと村へ行って以来だから、久しぶりのお出かけとなる。
通常のルートが混んでいるので裏道へ入ったが、そこも予想外に混んでいて2時間以上かかって到着した。

道端に車を止めて外に出ると、天気予報では穏やかな晴れと言っていたが、強い北風が吹いている。
こりゃダメだな、と思ってムラサキツバメの越冬するマテバシイの様子を見にゆくと、ありゃー切られている。
すぐ横で工事をしていて、重機の邪魔になる枝が切られ、ほとんど丸坊主になっていた。
ちょっと離れたところのマテバシイを見に行こうとしたら、工事用のフェンスが張られていて近寄れない。

こんな所に長居は無用と、風裏になる南斜面へ向かった。
遊歩道から眼下の草原を一望すると、小さなチョウがチラチラ飛んでいるのが見える。
草原は立ち入り禁止なので、近くへ来たチョウを片っ端から撮る。

モンキチョウ.jpg
モンキチョウ

ベニシジミ.jpg
ベニシジミ
近くのスイバに食痕があったので屈んで幼虫探しをしたが、腰が痛くなり5分で断念した。

ヤマトシジミ.jpg
ヤマトシジミ

ヤマトシジミ 2.jpg
ヤマトシジミ 雄、雌
雄は尾端を開いているが、交尾は不成立だった。

キタキチョウ.jpg
キタキチョウ
河川敷のなかなのでツマグロキチョウを期待したが、キタキチョウだった。

アキアカネ.jpg
アキアカネ
木橋の上で日向ぼっこしていた。

フタモンアシナガバチ.jpg
フタモンアシナガバチ
これも日向ぼっこするように、看板の柱に止まっていた。

オオカマキリ 1.jpg

オオカマキリ 2.jpg
クズの葉裏に産み付けてあった。
どちらも、オオカマキリの卵鞘(らんしょう)。

久しぶりなので心躍らせ、ばんばんシャッターを切った。

南斜面はこれぐらいで切り上げて、鳥撮りへ転進する。
小走りして駐車場に車を止め、テレコン付きのカメラに持ち替えて、いざ出発!

湖畔までの道半ばに差しかかった頃、モズが現れた。
いいところに止まっているので、スイッチを入れ、カメラを構えたら、ファインダーがまっ暗だ。
レンズキャップは外してあるし、調べたらバッテリーが入っていなかった。
以前、2泊3日の旅行を予定して、予備のバッテリーを2本持って行くつもりで、このカメラから抜いたままになっていたのだ。
その旅行はドタキャンになってしまったが、バッテリーを戻すのを忘れていた。
いま来た道をとぼとぼと戻りバッテリーを入れたが、湖畔に着いてから気が付いたのでは相当なアルバイトを強いられるし、いいところに止まってくれたモズに感謝した。

橋の上から湖面を眺めるが、水鳥がいない。
まだ渡って来ていないのかと思ったが、はるか遠くに1羽発見した。

カンムリカイツブリ.jpg
カンムリカイツブリ
目一杯ズームしてもこの程度だ。
居ることは確認できたのでホッとする。

その大分手前に何かが浮き上がってきた。
カンムリカイツブリかとピンとを合わせた。

カワウ 1.jpg
カワウ

カワウ 2.jpg
ほんの数秒で飛び立ってしまった。

ここで昼過ぎになったので自然観察は中断して、ファミレスでお食事。
スパゲッティ―を食べながら、次の行き先を考える。
取り敢えず、カワラヒワでも見に行くかと行き先をナビに入れ、スタートする。
20分ほど走って、とーちゃこ。
だが、鳥の声や姿なし。
首が痛くなるほど木のてっぺんを眺めていたら、コゲラの声はしたがどこにいるか確認できない。

ここをあきらめ、次なるところへ。
10分ほど走って、とーちゃこ。

車を降りてガッカリ。
今年は落葉が遅れているのか、木々に葉が沢山残っていて、鳥がいても葉っぱかぶりになり、良い写真が期待できそうにない。
その上、鳥がいない。
ないない尽くしなので、近場をチョロッと歩き回ってここも終了〜〜。

指折り数えて5ヶ月ぶりのお出かけとなった。
やっぱり自然の中に来ると良いわ―と思いながら帰路についた。



posted by massy at 14:11|

2018年09月30日

9月にバイバイ

ここのところ体調はよくなかったので、気がついたら30日だった。
今日で9月も終わりだ。

それなので、9月の未公開写真を一挙公開しておこうと思う。

ヤマトシジミ.jpg
ヤマトシジミ
最近発生した本種は超ミニサイズが多かった。
誠文堂「日本のチョウ」に掲載されている一番小さいチョウはホリイコシジミだが、それに勝るとも劣らない位小さいと思われる。

イチモンジセセリ 1.jpg
イチモンジセセリ
ニラの花で吸蜜している。

キタキチョウ.jpg
キタキチョウ
黄色い花に黄色いチョウ。

これら3種のチョウ達はゴーヤの受粉に活躍してくれた。
お蔭で、グリーンカーテンにしたゴーヤから100本近く収穫があった。

ヒメジャノメ.jpg
ヒメジャノメ
玄関を出たらヒメジャノメが交尾していた。
もう一度カギを開けて2階へ駆け上がり、カメラを掴んで引き返した。
この写真を撮っていたので、友人との待ち合わせ時間に遅れてしまった。

キアゲハ.jpg
キアゲハ
2階のベランダから下を眺めていたら、ゴーヤのツルの先に止まっていた。
この日は曇天で、前日に比べ10℃以上気温が下がったので不活発になっていたのかもしれない。
翅の欠けているのが痛々しい。

この他、今の時期の常連さんはツマグロヒョウモンだが、毎日やってくるのでカメラを向けなかった。

アジサイ.jpg
アジサイの狂い咲き
9月半ばからの気温の変化がはげしく、季節を勘違いして咲いてしまったようだ。
写真は無いが、ヨメナも狂い咲きした。

遠出できなかってが、撮り貯めていた未公開写真をブログにアップして9月にバイバイ。
台風24号が無事過ぎてくれること祈るばかりだ。



posted by massy at 16:55|

2018年09月16日

9月になってから

暑かった8月をグズグズ過ごしていたらいつのまにか9月になって、窓のそとで虫達が鳴きだし、季節は秋へ向っていると感じられるが、最高気温が20℃台後半の日があったり、30℃台に戻ったりと体調管理に気を使う日々が続いている。

9月4日 台風21号が徳島県南部に上陸後、神戸市へ再上陸した。
満潮と重なって関空や沿岸部が水浸しになり、関空連絡道にタンカーがぶつかった。
スピードが速かったので強風が吹き、車がひっくり返ったり、足場が崩れたり、街路樹が倒れた。
私の両親は兵庫県の出身なので、播州地方、神戸、大阪、京都方面に親戚が沢山あるが、どこも被害はなかったようでホッとしだ。

9月6日の早朝、震度7の胆振東部地震があった。
土砂崩れや家屋の倒壊、道路の亀裂や液状化現象によって陸路に障害がでた。
何より、苫東厚真火力発電所が止まったため、北海道中の発電所が連鎖的に止まり、大規模停電となった。
ニュースで見て知る限りだが、私達はどれだけ電気に頼っているかをまざまざと見せつけられた気がした。
同じ事態となれば東京も例外ではない。
1年半前に札幌へ引っ越した中学時代の友人や、震源地から離れているが停電に巻き込まれた斜里町の知床財団の人達がどうしているかと心配になった。
停電の混乱中は連絡がとれず気をもんだ。

被害のあった地の方々にはお見舞い申し上げますとともに、1日も早く復興することを願うばかりです。

この翌日の6日、6時すぎに目が覚めたらなんだか息苦しい。
鎖骨付近の筋肉が痛くて、深呼吸ができず、胸に空気を取りこめない。
救急車を呼ぼうかと思ったが我慢できそうなので、行きつけの病院が開くまで待ってタクシーで行った。
受付に着いたら安心したのか余計息苦しくなり、受付票は代筆してもらい、緊急処置室へ車イスで運ばれた。
点滴をして血液検査の血を抜き、心電図を取り、心電計と酸素計を取り付けたら、若い医師の問診が始まった。
肺か心臓のあたりの具合が悪いと思っていたが医師は首をひねるばかりで、狭心症の疑いということにして心臓のCT,胸部X線写真、心臓の超音波などの検査をした。
約2時間かかって検査が終わったころには少し楽になっていた。
若い医師は全ての検査結果を見比べて、肺や心臓に特に所見は有りませんと告げた。
CTの詳しい解析には時間がかかるので、もし何かあれば電話するか普段かかっている消化器内科の担当医に連絡しておきますと言われた。
まだ息苦しさは少しあったが、タクシーで帰宅して家で静かにしていた。
翌週が定期検診で、幸い担当医のところへ連絡は無かったのだが、あの息苦しさは何だったのだろう、鬼のかく乱か。

9月12日「スマート健康体験」のモニタをすることになり、それに使用する機器類の設置をした。

スマート.jpg
右手前 血圧計、右奥 モバイルルーター、
真ん中 ロボフォン、健康ウォッチとスマフォ、
左奥 6口の電源タップはすべてに何かが差さっている。

この他にも、体重体組成計、睡眠センサー、開閉センサー、人感・温度・湿度・照度センサー、主幹電力センサー、スマートプラグなどをそれなりの場所に設置した。
あとからタブレットとロボフォン用のアプリが届き、健康体操と食事内容の記録が始まる。

このプロジェクトは、国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の事業で、IoT技術を活用して各種センサーから収集したデータを利用して、高齢者の健康増進サービスや生活支援サービスの研究開発と実証検証を行い、超高齢化社会における医療費・介護費用の削減等を目的としている。

これらの機器を設置した日と翌日は、操作に慣れることに専念した。
自分で操作するのは、血圧計、体重体組成計、健康ウォッチ(歩数計)だけだが、スマフォとの通信がうまく行かなかったので取説を読んで何とかできるようになった。
こういう事ってボケ防止にいい。

こうして「スマート健康体験」生活がスタートした。
来年の2月に終わるので、その頃またレポートします。
それまでに体脂肪を5%、体重を2kg減らしたい。

9月半ばで私の身辺でこれだけの事が起きた。
これから11月の講演会に向け、撮り貯めた12万枚の写真からパワーポイントで資料作りをしなければならない。
天気と雑用を加味すると、フィールドへはいつになったら出かけられるやらと溜息がでる。
自然は待ってくれないのよ。



posted by massy at 23:03|