2019年10月08日

秋の午後

1ヶ月ぐらい前に、○○橋の向こう岸の川下側でギンイチモンジセセリが発生しているとの情報をもらった。
春先にギンイチを撮影したところより大分下流になるが、だいたいの見当はついているし、河原に大きな木が1本生えているところだそうだ。
だがすぐに、千葉県に大きな災害をもたらした台風15号が来て、川は増水し、大風が吹き、その後も天気の不安定な日々がつづいたので、時期を逸してしまった。
来年もあるさと思ってあきらめたが、この年になると来年があるかどうかあやしい。

先日、場所の確定のため情報を頼りに行って見た。
この辺りだろうという所は強風でススキやチガヤが倒れていたが、わずかに踏み跡が確認できた。
ネットマンかカメラマンがギンイチを追いかけた跡だろうと想像した。
山梨県のアサマシジミの発生地でも同じような経験をしたので間違いあるまい。

ここへ来たのにはもうひとつの目的があった。
今年になって全然見かけないウラナミシジミを見ることだ。
8月の終わりから気を付けていたが、全然いないので今年はダメかと思っていた。
ウラナミシジミは波状拡散といって、おお元の発生地である房総半島や伊豆半島から繁殖を繰り返しながら、時間をかけてやってくる。
拡散するその先端がここへ到達しなければ、まったく見られないという年もあるのだ。
だが、ここではある程度の数が見られて、うれしくなった。
なかなか止まらないので、根気強く待って撮った。

ウラナミ 5.jpg
センダングサに止まるウラナミシジミ
このセンダングサはもうすぐヒッツキ虫になる。

ウラナミ 2.jpg
アレチウリの花にとまる。
翅を開いてくれたのはこの個体だけだった。

ウラナミ 4.jpg
飛び古して尾状突起がない個体

ウラナミシジミ 1.jpg

ウラナミ 3.jpg
フジマメの花にとまる。

うれしくなって、片っ端からシャッターを切った。

他に

イチモンジセセリ.jpg
イチモンジセセリ

ヒメアカ.jpg
ヒメアカタテハ

帰りに遠回りして水路沿いの歩道をゆくとアオサギがいた。

アオサギ 1.jpg
アオサギのお食事中

アオサギ 3.jpg
こちらに気付いて睨めっこになった。
長い冠羽が見てとれる。

アオサギ 2.jpg
こちらが気になるのかゆっくり上流へ歩いてゆく。
こちらもゆっくり付いてゆく。
30分も一緒に歩いたが、こちらが根負けしてその場を離れた。

ようやく秋らしくなった午後のひと時、久しぶりに楽しくすごした。



posted by massy at 18:45| Comment(0) |

2019年09月02日

いつもの公園へ

先週の末、少し暑さが和らいだ感じがしたので、カメラをお供にいつもの公園へ散歩にでた。
途中、道路わきにうっそうと茂った林があって、その一角にぽかっと空いて陽が射しこんでいる部分があった。
何かいそうだなと長年の勘が働き、そこを暫く眺めていた。

突然アゲハチョウが飛んで来たら、テリ張りしていたコミスジが追飛した。
追飛したあと元へもどらず、近くのクズの葉の上に止まってくれた。

コミスジ.jpg
コミスジ
どこに止まっていたのか、遠目にはわからなかった。

林の間から吹く涼しい風にふかれながらしばらく見ていると、4頭のコミスジが確認できたが、どれも写程外で写真は断念した。
キタキチョウ、ヤマトシジミ、茶色系のセセリチョウ、クロアゲハ、シオカラトンボが通過していった。

その他、目についたモノは写真に収めた。

ホシハラビロ.jpg
ホシハラビロカメムシ

ヤマイモハムシ.jpg
ヤマイモハムシ
体長5ミリほどだが黒光りする背中が目立つ。

いつもの公園につくとサクラの木を観察して、特定外来生物のクビアカツヤカミキリの食痕を探す。
食痕があったら樹木医のネットワークへ知らせるためだが、ここはまだ大丈夫のようだ。
奥のほうのサクラの木でアブラゼミとクマゼミがうるさいほど鳴いている。
手の届く高さでもたくさん鳴いている。
8月末とは思えぬような状況だ。

アブラゼミ.jpg
アブラゼミ

クマゼミ.jpg
クマゼミ
今年は梅雨の時期に気温の低下が見られたので、発生時期が例年より遅くなった可能性がある。
サクラの大木を下から見上げて、ついているセミの数を数えたら40匹を越えた。
そんな木が10本もあるのだからうるさい訳だ。

抜け殻.jpg
付近の下草には抜け殻が簡単にみつかる。

セミを見上げていたら、足元にハグロトンボがヒラヒラと飛んでいた。
ここは水辺からかなり距離があるが、5頭ほどとびまわっている。

ハグロ.jpg
ハグロトンボ

帰りは水路沿いへ寄り道した。
セミはセミでもカワセミの様子を見るためだ。
タイミングが良ければ、カワセミのペアが水面の上を飛ぶこともあるのだが、向こう岸のいつも止まる場所をチェックしても見当たらない。

のり面に咲くキバナコスモスにツマグロヒョウモンがいた。

ツマグロ.jpg
ツマグロヒョウモン 雄
この取り合わせは少し秋の気配を感じる。

水路沿いは日陰がないので大分汗をかいた。
かなり歩いたがカワセミは空振りだったので、コンビニに寄って水分補給した。

帰ってみたら2時間半、6000歩の散歩だった。
ここのところクーラー漬けの日々が続き、出歩かなくなっていたのでちょうど良い散歩になった。


posted by massy at 16:38| Comment(0) |

2019年07月12日

梅雨の一時


先月の27日に関東南岸を台風3号が通過してから今日まで、ずっと雨か曇りの日が続き、気温の高い日もあったが、ヤマセが吹きこんで梅雨寒むだったり不安定な日々が続いている。
ギンイチモンジセセリの夏型が出ているとの情報があったので、春型を見たところへ出かけようと思った。

天気予報を見たり、空を眺めては様子を覗っていたが、一向に好転しないので梅雨の一時を狙い、思切って出かけてみた。
河原に着くとススキの上にクズが覆い被さるように生い茂り、ススキの間をギンイチが飛び回るような環境ではなくなっていた。
その上肌寒い。

止む無く、クズの葉ウオッチングに変更。
目に付いた順に撮影した。

アシナガバエ 1.jpg

アシナガバエ 2.jpg
マダラホソアシナガバエ
体長が5ミリぐらいの小さいハエ。
体は金緑色に輝くが、見る方向により体色がかわる。

ヒメウラナミ.jpg
ヒメウラナミジャノメ
今年の第2化、この辺では良くみかける。

マメコガネ.jpg
マメコガネ

クワカミキリ.jpg
クワカミキリ
キタキチョウが飛んで来たのを目で追っていて、ふり返ったら鎮座していた。
キタキチョウが飛んでこなかったらスル―するところだった。

コガネムシ.jpg
コガネムシ
コガネムシは背中の色にいろいろなタイプがある。
これはその中でも地味なタイプだ。

ヤブカンゾウ.jpg
ヤブカンゾウ

最後に花を撮って、肌寒い河原をあとにした。
こんな天気がいつまで続くのだろう。



posted by massy at 14:35|

2019年06月29日

ミドリシジミ探し

ミズイロオナガシジミとウラナミアカシジミが見られたので、遅きに失した感のあるミドリシジミを空振り覚悟で探しに行った。

今年は谷戸の下から行くコースではなく、ネットで拾ったハイキングコースの地図を頼りに上から行った。
歩きはじめて約10分、電線工事の車両が止まり、交通整理員のおじさんが立っている前を通り過ぎた。
こちら側からは初めてなので、そのまま直進すると尾根筋へ入ってしまった。
おかしいなと思ったが木の間から下の景色が見えているし、地図からはずれたが遭難する事もあるまいとそのまま進んだ。
方向を確かめるためひと息いれていると、目の前に現れた。

ムラサキシジミ.jpg
ムラサキシジミ
止まっているのは食樹のアラカシだろうか?

ついでに今が盛期のヒカゲチョウがでてきた。

ヒカゲチョウ.jpg
ヒカゲチョウ

ちょっと先で

ヒカゲチョウ 産卵?.jpg
尾端を下げているのでヒカゲチョウの産卵かと思ったが、ササ類以外には産卵しない。

なおも尾根筋を進むことしばし、やっと目的地の標識がでてきた。
標識通りに急坂を下ると、いつものハンノキ林のところへ出たのでホッとした。

ホッとしたのも束の間で、周りを見るとカメラを下げた人もおらず、林はシーンとして生き物感がない。
こりゃまずいと林の末端にあるクリの木の様子を見に行く。
このクリの木はミドリシジミのパイロットプラントで、満開なら期待がもてるのだ。
ところが花の盛りはとうに過ぎ、沢山いるはずのベニカミキリも全くいない。
これを見ていい時期に来られなかったことを悟った。

それでもひょっとしたらと、未練がましく林の周囲をうろうろした。

そんな私を慰めるかのようにふわふわとアゲハチョウが飛んで来て、下草の間に止まった。

アゲハチョウ.jpg
アゲハチョウ
羽化直後のようだが右前翅の先端がすこしだけ羽化不全のようだ。

1時間ほどしたら下から老年のご夫婦が上がって来て、「今年は少なかったようですね」と言っておられた。
この言葉を聞いてミドリシジミ探しをあきらめる決心がついた。

帰りは谷戸の沢沿いに上がってゆくことにした。
薄暗い滑りそうな道をゆっくり行くと、足元に何かがとまった。
最近視力の落ちた眼でさがすと、枯葉に紛れてクロコノマチョウがいた。

クロコノマチョウ.jpg
クロコノマチョウ
こんな所に止まられたら、探し出すのはむずかしい。

クロコノマチョウ 2.jpg
同じ個体を角度を変えて撮り、トリミングしたもの。

谷戸の最後の急坂をのぼり切ったら谷戸入口の標識があり、さっき交通整理員のおじさんが立っていたところへ出た。
何だ、おじさんの陰になって標識を見落としたのだ。

明るい車道に出て戻るみちすがら、カタバミの花でヤマトシジミが吸蜜していた。

ヤマトシジミ 吸蜜.jpg
ヤマトシジミ

カタバミは幼虫の食餌植物だから、暫く見ていると葉に止まって産卵した。

ヤマトシジミ 産卵.jpg
ヤマトシジミの産卵
こんなシーンが落ちこんだ気持ちを慰めてくれる。
 
今年はミドリシジミの写真を撮ることが出来なかったが、それ以外のチョウ達に出会えたのだから来年に期待しよう。
次はオオムラサキの情報をもらっているので、そちら方面に出かけるつもりだ。


posted by massy at 15:32|

2019年06月20日

公園のハシゴ

10日ほど前、午前、午後と公園のハシゴをした。
どちらも初めて行く公園なので、行き方をネットで調べてでかけた。

通勤時間の終わらぬ頃、電車とバスを乗り継ぎ、バス停から日差しの暑い中歩いて、迷いながらやっと1つ目の公園についた。
小規模な公園だが手入れされたアヤメ田があり、5分ほど咲いていた。

アヤメ.jpg
アヤメ
アヤメを眺めていたら、目の前を何かが横切ったのでそちらの方を探すと

ウラギン.jpg
羽化直後のきれいなウラギンシジミだった。

その先のエノキに絡むようにテングチョウが飛来した。

テング.jpg
テングチョウ
腹部が太いので雌のようだ。
地域によっては異常発生しているところもあるとか。

テング 産卵.jpg
テングチョウの産卵
そのうち、尾端をまげて産卵行動をしたが卵の確認はできなかった。
母チョウもよく知っていて、柔らかくツヤの良い美味しそうな葉に産卵し、黄ばんだり、白けて縮んだ葉には見向きもしない。

アヤメ田の脇を抜けて奥へ行ったら、日陰に白いチョウがいた。

ミズイロ 1.jpg
ミズイロオナガシジミ
今年のゼフの初撮りだ。

小さな公園だからすぐ突き当たりまで着いてしまい、そこでUターンする。
帰りはホタルが出そうな細い水路沿いをあるく。
出口に近いところでキタキチョウが飛んできたので、止まるまで追いかけて撮った。

キタキ.jpg
キタキチョウ
いままで撮った写真の枚数ではブログがにぎやかにならない。
色合いが良いのと保険の意味をこめてシャッターを切った。
雑に扱ってゴメンね。

公園を出ると、汗を拭きふき長い坂をくだる。
降りたバス停を右手にみながら、駅までの登り道を20分以上歩く。
その駅の近くに「食べログ」で調べた手打ちソバのお店があり、そこで昼食とする。
しかし、ソバは期待していたほどではなく、人の評価はアテにならない。

2つ目の公園に向かうためその駅から電車に乗り、バス、電車と乗り継いだ。
到着した駅は殺風景な駅前で、お店らしいものが何もない。
コンビニで買い物する予定だったが、すぐ公園へ向かう。
田んぼと住宅の間を抜けて、ようやく到着。
公園の駐車場にある立て看板の地図を頭に叩き込み、いきなり階段のつづく急坂を上りだす。
風の通らぬ林の急坂にうんざりしながら歩くこと30分。
少しなだらかになったなと思ったら尾根道へ出た。

いったん立ち止まって腰伸ばしをしていたら、こんなご褒美が。

ウラナミアカ.jpg
ウラナミアカシジミ
ゼフの2種目、ちょっとついてるかも。

小休止のあと、尾根道を行くと林の中へ入って行く。
ここは日陰で風通しが良く、快適ロードだ。
初めて来た公園では、どんな木や草が生えているかチェックしながら歩くことにしている。
ふと立ち止まって林床をのぞいたら

カンアオイ.jpg
カンアオイ ギフチョウの食草
周囲を良く観察すると、あちこちに見える。
この辺は1970年代初めまでギフチョウが生息していたが、地域の開発により絶滅してしまい、その名残りのカンアオイという訳だ。
ギフチョウの飛びかう昔を想像し、ちょっと感傷的になった。

ひとしきり尾根道を進むと、駅方面へ下りの道になる。
かなり下って小さな沢に出たら、木漏れ陽にチラチラするチョウをみつけた。
目で追っていると足元にとまったのでピントを合わせてみた。
ヤマトシジミかと思う程小さかったが、なんとミズイロオナガシジミだった。

ミズイロオナガ 2.jpg
ミズイロオナガシジミ
食糧不足で育ったのか、こんな小さいミズイロオナガは初めて見た。
写真というのは拡大縮小が自由なので、実感が湧きづらい。

もう少し沢を下ると、

ニホンカワトンボ 雄.jpg
ニホンカワトンボ 雄

ニホンカワトンボ 雌.jpg
ニホンカワトンボ 雌

ベニカミキリ.jpg
ベニカミキリ
竹が積んであるところに次から次へと飛んでくるが、歩き回るスピードが速くピンが合わない。
幼虫はタケ類を食べて育つので、産卵に来ているのかもしれない。

まあまあの写真が撮れたので良しとして、駅へ向かった。
こんなに歩いたのは久し振りだったので電車の中で爆睡し、あぶなく乗り越すところだった。



posted by massy at 17:15|