2023年05月17日

ゴールデンウィークが明けた


5月の連休が終わった。
ニュースでは最大9日間の大型連休だと報じていたが、毎日がお休みの身には迷惑な位だ。
交通機関は混雑し、どこへ行っても人だらけ。
写真を撮っていても、うるさくして被写体が逃げたり、平気でレンズの前を横切ったり、背景に人が写り込んだりするので、最近は家にいることにしている。
TV、YouTube、DAZNとメディアを駆使して早朝から深夜までスポーツ観戦をし、合い間を見てパソコンの掃除、写真データを整理しDVDに焼いた。
パソコンの清掃とDVD焼きの話は後ほど。

連休前までは、コツバメ、ツマキチョウ、ウスバシロチョウと決め打ちで出かけていたけれど、時期的に見当違いだったようで空振りに終わった。
今になって冷静に考えれば、元々発生していない場所へ行っても見られないのだから、場所的にも適当な所であったかと疑問が残る。
自分としては、あらゆる知識をフル活用して適地だと判断したが、情報が不足していた事は否めず、来シーズンに向けて情報収集を心掛ける事にしよう。

連休明けの長期予報では晴れ、雨半々の予報が出ていて、晴れ予報の初日に前回のブログで予告した「秘密の場所」へ、ウスバシロチョウにわずかな望みをかけながら、昔に帰って一期一会を旨として行くことにした。
山間部へ入り込むので、新調したバックパック(昔はリュックサックと言った)にワンゲル時代を思い出しながら防寒具などの装備を詰め、久しぶりに履く登山靴の埃を払った。
目的地近くまで行くバスは、四捨五入すると70才の人たちで結構混んでいて、5類に格下げになっても全員マスクを忘れず、その人達が途中でガサッと降りたので、目的地のバス停では私一人が降りて車内は2人になった。

バスが行ってしまうと、深呼吸を一回して歩き出す。
車があった頃は良く来ていた場所だから勝手は判っているし、コロナ禍で3年ぶりなので懐かしい。
脇の沢を覗き込むと、数種類のトンボ達が見える。

カワトンボ 褐色.jpg
二ホンカワトンボ オス 褐色翅型

カワトンボ 無色.jpg
二ホンカワトンボ オス 無色翅型

この他、数種類のイトトンボ類が見えたが沢が深く、ズームアップしても捉えられなかった。

バス道からそれて、山道へ入って行く。
暫し歩くと、車が数十台止められる小広いところが「秘密の場所」で、ここではほとんど人に会ったことがない。
カメラの電源を入れて待っていると、蝶道になっているのかアゲハ類が次々と現れる。
クロアゲハ、アオスジアゲハ、ジャコウアゲハ、アゲハチョウ、オナガアゲハが飛来したが、花に止まったのはオナガアゲハのみ。

オナガアゲハ.jpg
オナガアゲハ
ひっくり返って、お腹側の写真。
翅の形や尾状突起、赤色斑の様子が良く写っている。

遠くにモンシロチョウやスジグロチョウの白いチョウが飛んでいると、ウスバシロかと期待するが飛び方が違うのでガッカリする。
テングチョウも飛んできたが高い所を飛び去り、近くにやっと止まったのが

ダイミョウセセリ.jpg
ダイミョウセセリ

次々現れるチョウウたちを目で追っていると、違う飛び方をする小さなチョウが足元に止まった。

トラフシジミ.jpg
トラフシジミ 春型
写真ではトリミングしてあるので判りにくいが、今まで見たトラフシジミの中で一番小さい。

最後に電線に止まって、きれいな声で鳴く鳥。

キビタキ.jpg
キセキレイ
沢筋にも何匹か見えたが、暗いのと枝被りでうまく撮れなかった。

これ位収穫があれば良いかと、少し早めに引き揚げた。

今回は山間地だったので普段のスニーカーではなく、登山靴で出かけた。
帰宅して地図を調べたら結構な距離を歩いていて、歩数計も15000歩を越えていた。
それでも予想外に疲れなかったのは履物に依るところが多い。
長距離の外出に体力的な目途がついたので、これからどんどん出かけようと思う。


posted by massy at 00:08|

2023年04月29日

過ぎ行く春

ゴールデンウィークが始まり、4月も過ぎようとしている。

今月はいろいろ支障があって思うように出かけられず、自然観察のアクティビティが落ちたし、情報不足で見当違いな事をしていたようだ。
そこで、以前は1日30位の昆虫関係のブログを見て情報収集していたので、久しぶりにお気に入りからブログを開いてみた。
定期的に読んでいたブログを開いて見ると、リンク切れのブログが多く、年齢や体力的に厳しくなって止めてしまった方がいるようだ。
これらのブログを削除するとお気に入りがスカスカになってしまった。
それでも、残ったいくつかのブログやそこのリンク先まで飛んで読むと、今年の冬は寒いと感じていたが、昆虫たちにとって気温が高く季節の進み方が早かったようだ。
つい最近まで探していたコツバメやツマキチョウなどは3月の半ばにすでに発生していて、4月になってから探しに行っても無理だった事がわかった。
サクラも記録的に早く咲いたのだから、当たり前といえば当たり前のことだが、今頃気が付いても後の祭りだ。

4月中旬から下旬まで、近場の収穫を掲載してみよう。

キンラン.jpg
キンラン
盗掘の被害にあわず、昨年と同じ場所で咲いていたのでホッとした。

フジの花.jpg
フジの花
この花が咲き始めればゴールデンウィークが来る。
場所によっては、ワラビ採りのシーズン到来だ。

ヤセウツボ.jpg
ヤセウツボ
今年もクローバーに寄生して伸びて来た。

ヤセウツボの花.jpg
ヤセウツボの花

ヒラタアオコガネ.jpg
ヒラタアオコガネ
写真でも体側から毛がはみ出ているのが判るが、腹部が毛むくじゃらなコガネムシ。

コミスジ.jpg
コミスジ
この付近にはホシミスジの在来種(関東型)がいるので期待したが残念。

ヒメウラナミジャノメ.jpg
ヒメウラナミジャノメ
ここは年3回発生するので、これから秋の初めまで良く見られる。

クロアゲハ.jpg
クロアゲハ
長い間チョウの写真を撮っているが、クロアゲハは初撮り。
ギフ、ウスバシロ、ナガサキ、モンキ、ジャコウ、アゲハ、キアゲハ、ミヤマカラス、アオスジを撮ったので、あとはカラスアゲハとオナガアゲハ、ヒメギフチョウを撮れば、関東甲信地方にいるアゲハ類を全種制覇することになる。

ゴールデンウィーク期間中は家にいて、パソコンの掃除と写真データの整理をしようと思っている。
ゴールデンウィークが終わったら、ウスバシロチョウを探しに秘密の場所へ行きたい。


posted by massy at 17:38|

2023年04月09日

春本番

サクラの開花が待ち遠しい頃、鳥好きの友人からヒレンジャクやキレンジャクの写真が2回ほど送られて来た。
情報によると、今年はレンジャクの当たり年らしい。
それらの写真を見ながら、シーズンになると秋ヶ瀬公園へ何回も通った事や、北杜市で山道から不用意に顔を出したら、足元の崖からヒレンジャクが飛び立ち、カメラを出す間もなく対岸の林の中へ消えた事などを思い出していた。

未だにカメラに収めることが出来ないでいるので、幾つかあった検索結果から、駅から比較的近い公園へ出かけた。
少々時期を逸しているかもしれないが、遠出することになった。

行って見ると小さな水路を挟んで住宅街と隣接していて、こんなところへ来るかなと思う様なところだったが、ヤドリギが何か所か確認できた。

ヤドリギ.jpg
サクラに寄生するヤドリギ

カメラを携えた人やレンジャクの姿は無かったので、来年に期待することで引き揚げた。

翌日は自分の記憶の中にある、この公園とよく似た環境の場所へヤドリギを探しにいった。
ヤドリギは落葉樹に寄生するので、葉が茂ってしまうと見つけにくくなるため、探すなら今しかない。
結局は発見できなかったが、思わぬおみやげがあった。

スジグロシロチョウ.jpg
スジグロシロチョウ 春型 オス
羽化したての綺麗な個体が飛んできた。

ヤドリギ探しは今後も継続することにし、私のレンジャクシーズンは終了〜〜。
これからは上を見たり、下を見たり忙しくなる。

その後、天気の関係や用事でしばらく外出できなかったが、スプリングエフェメラルと言われるチョウ達の探索をした。
可能性のあるのはミヤマセセリとコツバメ、もう少し経つとツマキチョウとウスバシロチョウが見られるかも知れない。

里山の道.jpg
里山の小道
いかにもミヤマセセリが居そうな雰囲気で、期待できそうだ。

コツバメはアセビの花に卵を産み付けるので、昨年見つけたアセビの所へ行く。
行って見ると、階段沿いに植えられたアセビは花房が少なく期待できそうにない。
仕方なく山道を先に行くと、キブシの花が咲いていた。

キブシの花.jpg
キブシ
この花を見ると、山の林に春が来たという感じがする。

なお先に進むと、日当たりのよい広場に出た。
足元の枯草にベニシジミがいた。

ベニシジミ.jpg
ベニシジミ
このチョウを見つけると、いつも撮りたくなるから不思議だ。

以前この広場へ来たときは気づかなかったけれど、見渡すとあちこちにアセビの木が20本ほどあり、満開の花をつけていた。

アセビ 2.jpg
アセビ

端から良く見て行ったが、コツバメは居なかった。
代わりにベニシジミが吸密していた。

アセビとベニ.jpg
アセビで吸密するベニシジミ
コツバメの翅表は青なので、遠目でも見間違うことは無い。

この陽当たりの良い広場では他にいろいろな収穫があった。

ツチイナゴ.jpg
ツチイナゴ イナゴの仲間で唯一越冬する種類。
越冬明けであろうが、アセビの枝にしがみつくように止まっていた。

P1050933.JPG
カラスノエンドウで吸密するキタキチョウ
今年初撮りのキタキチョウ、気温の高い時はなかなか止まらないので写真が撮れずにいた。

フデリンドウ.jpg
フデリンドウ
遠目にスミレかと思って近づいたら、フデリンドウだった。

モミジ.jpg
イロハモミジの花
葉の緑と花の赤のコントラストが良く、思わずシャッターを切った。
この花が終わると、ナウシカに出てくるメーヴェのような種を付ける。

ちょっと日陰になるところに

キンランの若芽.jpg
キンランの芽が伸びていた。
地面から1cm位の様子からギンランかもしれない。

この広場と里山の道へは一週間に3回通ったが、コツバメとミヤマセセリは空振りの三振。
今年は春先から気温が高かったので、例年より発生が早かった可能性がある。
もう一度今週行ってみようと思うけれど、アセビの花が盛りを過ぎてしまうので状況は厳しい。

ここでもヤドリギ探しは継続しているので、案の定上を見たり、下を見たり忙しい。
いよいよ春本番でチョウ達はツマキやバシロに移行し、水辺ではトンボも出てくるので楽しくなる。


posted by massy at 17:09|

2023年03月21日

春が来ている

東京では3月14日に、サクラの開花宣言が出た。
こちらでも3〜4日遅れでチラホラ咲きだし、その後の暖かさで昨日は2分咲というところだろうか。
2度目の一番早い開花らしいが、咲いた花の色が白っぽく感じるのは私だけだろうか。

あちこちのサクラを眺めながら、公園に着いた。
グルッと見回すと、最近の暖かさに乗じて落葉樹も芽差しが感じられる。

若芽1.jpg

若芽2.jpg
今の時期にしては枝先の色が濃いように感じる。

それらの木々の間を抜けて目的の池畔へ着く。
池の周囲をグルッと回ったが、生き物がいる気配がない。
その時、足元に小さな花 スミレを見つけた。
いつぞや、スミレの同定に大苦戦して以来、スミレは撮らないと決めていた。
しかし、今日は撮れ高が期待できそうにないので、保険的にシャッターを切った。

タチツボスミレ.jpg
タチツボスミレ
スミレを検索したら、真っ先に出てきた。
花弁の模様、葉の形状が一致してすぐ判った。
ごく普通種だから当たり前だろうが、ちょっと拍子抜けの体でやれやれした。

次のところへ行く遊歩道の傍らで、日陰にヒッソリと咲いていた。

シュンラン.jpg
シュンラン
昭和30年代にはこの辺りは多産地だった記憶がある。

この後、旧街道の細い道へ出た。
通りを挟んで向こう側に広がっていたのは

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ハナダイコンの花達
昨秋、別のルートからここへ来たときはクリの木が茂っていたので、その下がこんな事になっているとは判らなかった。
これなら、ずっと探しているツマキチョウも期待できるかも。

旧街道をウロウロしていたらチョウの姿が見えたので、断りを入れて畑の縁へ入らせてもらう。

ルリタテハ.jpg
ルリタテハ
越冬明けの個体だ。
一昨年は見かけたが、昨年は見られなかったので、2年ぶりの出会いとなった。

陽当たりのいい枯草場で

ツバメシジミ.jpg
ツバメシジミ
発生したての綺麗な個体。
後翅の尾状突起が見て取れる。

旧街道を行って、遠回りしながら元へ戻るように歩く。
途中の小さな草場を柵越に覗いたら、小さな虫が何頭も飛んでいる。

ビロウドツリアブ.jpg
ビロードツリアブ
体長1cmぐらいの春季1化性のアブで、ツンと伸びた口吻が特徴。
その口吻を伸ばして、オオイヌノフグリで吸密している。
体毛がビロードのようで、ホバリングが上手く空中に吊るされたように見えるので、この名前になった。

ビロードツリアブに夢中になっていたら、寄りかかっていたコンクリートの柵に8ミリほどの虫が付いていた。
取り敢えずシャッターを切ってモニターで確認したら、何が写っているか判らない。
フラッシュを焚いて撮ったら、こんな虫が写っていた。
これが難儀の元だった。

家に帰って良く見たら、ハチだかアブだか判らない。
仕方がないので、両種を検索して調べる。
夕方から調べ始めて、深夜になってようやくハナバチの仲間らしいと見当が付いた。
それからハナバチを集中的に検索し、やっとニッポンヒゲナガハナバチと判明した。

ニッポンヒゲナガハナバチ.jpg
ニッポンヒゲナガハナバチ
背中の丸さ、体毛が茶色い事、翅のたたみ方、腹部の縞模様、肢に生える毛の様子などから同定した。
ヒゲナガの名の通り触角は長いのだが、写真では短く見える。
被写体とカメラの位置関係で短く写ったものと思われ、何百枚かチェックした写真にもこのような写真が掲載されていた。
この虫も、春季1化性で今頃しか出現しないらしいので、難儀したけれど良い出会いとなった。

昆虫にも草木にも春が来ている。
出掛けるには良い時期だから、次はどこへ出かけようか。



posted by massy at 16:57|

2023年03月07日

春が来た

ここのところ春を先取りしたような暖かい日が続いた。
この暖かさで冬鳥のヒメハジロは帰ってしまったので、川の方へ行かなくなった。
そこで、しばらくご無沙汰していた水路のほうへ行って見た。
水路沿いの遊歩道に降り立ったら、目の前にカワセミのオスがいて、何ヶ月かぶりの出会いとなった。

カワセミ 1.jpg
カワセミ オス

上流で河川工事をしているので、頻繁に濁りが入る。
濁りが入ると姿を見せなくなるのだが、昨日は濁りが入っていなかったので、餌を求めて下流部まで降りてきていたようだ。
少し上流にもメスがいて、ペアで営巣すれば良いが餌の捕りにくいこの辺りでは無理かもしれない。
工事の終わる再来年以降に期待したい。

そのままゆっくり上流方面へ歩いていたら、土手の草むらからモンキチョウが飛び出してきた。
この辺は食草のシロツメグサやカラスノエンドウのマメ科植物があるので、メスを待ち受けているのかも。

モンキチョウ 1.jpg
モンキチョウ オス
昨年の晩秋に、土手の積み石の隙間で蛹になり、早々と羽化した新生チョウで今年の初見だ。
体を斜めにして、体全体に太陽光が当たるようにしている。体を斜めにする行動は、春季初期の他のチョウ達にも共通している。

2月に半ばからこの周辺へは来ていないので、とっくに発生していたかもしれないけれど、このチョウを見ると春が来たという感じがする。

昨日はちょうど啓蟄だったし、初見のチョウに出会えてよかった。
これから色々な虫たちが出てくるので、自然観察が忙しくなる。



posted by massy at 23:29|