2013年03月24日

山菜採りの思い出

日々の出来事をアップしているが、時折昔のことを思い出す。
長生きしてれば、思い出の一つや二つ、いや三つや四つ、五つ、六つ位あるべ。
The young live hope,the old live remembarance だ。
記憶に正確でないところもあるかも知れないが、これもブログにしてしまおうとカテゴリーに思い出シリーズを追加した。
これはその第一弾。


春のお彼岸が過ぎると、我が家では山菜取りがシーズンインした。

ツクシ、タゼリ、タビラコ
武蔵野水路の脇に、採りつけの場所があった。
ツクシは遠くから見てもベージュ色の絨毯に見えるほど生えていた。
これをデパートの袋三つぐらい、いっぱいに採った。
帰ってから、親指の爪をアクで真っ黒にしながら袴をとり、鰹節でつくだ煮にしたが、出来上がるとウソのように量が減った。
食べるとホロッと苦みがあつて、これで春を感じた。
タゼリ、タビラコはツクシのついでに採って、おひたしやつくだ煮にした。

つくし@藤野町篠原 006.jpg
道端のツクシ達


フキノトウ
山梨県の道志川、秋山川、桂川流域の峠越えの山道で、車をゆっくり走らせながら、見つけては車を止めて採った。峠を越えて帰路につくころには、かなりな量になった。
その日のうちにフキノトウ味噌にして酒の肴に、翌日は天ぷら、残りはつくだ煮にした。
猪苗代湖の近くの畔で、フキノトウが行列するように生えていた。
夢中で採っていると、走っている車がスローダウンして、見物していった。
こんな所で採らなくても…と思っていたに違いない。

ヨモギ、ノビル、ノカンゾウ、スイバ(スカンポ)
4月の半ばから5月の半ばごろ、山道の縁、田の畔をよく見ればどこでも採れた。
ヨモギは沢山とって冷凍し、お餅の材料にした。
ノビルはお味噌をつけて生食し、ノカンゾウは赤貝と酢味噌和えした。
スイバは皮をむいて、マヨネーズをつけて食べたが、名のとおりすっぱくて、沢山は食べられなかった。
20cm位に切り、両端から5cm位の切り込みを何本も入れて水に浸しておくと、皮が反り返って水車のようになり、空洞の芯にお箸を通すと蛇口の水でクルクルとよく回った。

タラの芽、ヤマウド、ギボシ、ミズゼリ
タラの芽はよく知られた山菜で味もよいし、木はいつも同じ場所にあるので、大抵は地元の人に先に採られてしまう。
それでも天ぷら1回分ぐらいの量が採れれば満足だった。
栃木県ではモチタラといわれるトゲのないタラの木があるらしい。その方が数段おいしいらしいが、まだ食べる機会に恵まれていない。
ヤマウドも大きいものは地元の人に採られてしまうが、マメに探せば結構採れた。
ギボシは味噌汁にいれると、ヌメリがでた。
ミズゼリは上野原の耕作放棄地にわんさか生えていた。5,6回抜くだけで、十分だった。

ワラビ
6月の初め、八ヶ岳の麓へ行った。往きに清里の園地へ寄って、そこのツツジの咲き具合で採り旬を占った。7分咲きがベストだった。
しかし、山菜採りがブームになり、山道の入り口で老人会の人が入山料を徴収するようになったり、採りつけの場所が翌年行ったら高原野菜の農地になったりしていて、だんだん行かなくなってしまった。
今でも山の様子を見て、あの辺には生えていそうだと勘が働くので、家で2,3回食べる分位は採ることができる。
これの卵とじは大好物である。

サンショ
若い芽を摘むので、採り旬がむずかしい。
早ければ量が採れないし、遅ければ量はあるが、葉が硬くなり、つくだ煮にした時の食感を左右するからだ。
日光の狭い地域で、高値で取引されるサンショがある。
それを狙ったプロの人もいるが、私たちにも採れるので、土地のおばさんに作り方を聞いてつくだ煮にしたら絶品であった。

サンショ、タラ@ 日光 104.jpg
大きなサンショの木と奥にタラの木が見えている。


クレソン
忍野村の水路にあるのを見つけたのが最初だったが、近県で気をつけているとあちこちに生えている。
流れのはやいところに生えているものは、大水が出ると根こそぎ流されてしまい、アテにして行ってみるとがっかりすることがある。
バター炒めが一番好きだ。

ヤマブキ(山蕗)
丹沢の沢筋で石油缶に2ハイ採って帰ったら、母が大喜びして翌週また採りにいった。
この事が、我が家の山菜ブームのキッカケになった。
湿った土地を好むが、どこでも生えているわけではないようだ。
静岡県は大井川の支流域、山梨県は富士川の支流の奥へよく行った。埼玉県は探しに行ったが、採れたためしがなかった。
2年前、富士川の支流の奥へ20数年振りに行ってみたが、すっかり様子が変わってしまい、一本も生えていなかった。
家内の親戚へ遊びに行ったとき沢山採って帰ったら、東京モンは変なものを採ると言われたことがある。フキといえば土地の人はイエブキのほうを指すようだ。
キャラブキにする時、ダシは煮干しに限る。

ツクシ、ワラビ、ヤマブキは20年間ぐらい欠かさず採りに行ったが、良い時、悪い時さまざまだった。
採ってきた山菜の山を、道中の楽しかった出来事、母の昔話や次どこへを採りにゆくかなどワイワイ話しながら始末した。
一通りの段取りが終わるのに、深夜まで及ぶこともしばしばであった。

母の田舎での山菜取りは遊びではなかったらしいが、私にとっては贅沢な遊びだったと今になって思う。
posted by massy at 08:00| Comment(2) | 思い出シリーズ
この記事へのコメント
我が家の近く(入間市牛沢町)にカタクリの自生地があります。
もともと民有地ではありますが、一般に開放しています。
案内板も出ています。
今が見ごろとなり、赤紫の群生を楽しめますよ。
Posted by Yoshida(Yassan) at 2013年03月24日 12:49
そろそろカタクリのシーズンですね。
狭山丘陵の一角でも見られるところがあります。
昔の片栗粉の原料ですし、葉の部分は 山菜として食べるところもあるようです。
Posted by massy at 2013年03月24日 18:44
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