2023年03月21日

春が来ている

東京では3月14日に、サクラの開花宣言が出た。
こちらでも3〜4日遅れでチラホラ咲きだし、その後の暖かさで昨日は2分咲というところだろうか。
2度目の一番早い開花らしいが、咲いた花の色が白っぽく感じるのは私だけだろうか。

あちこちのサクラを眺めながら、公園に着いた。
グルッと見回すと、最近の暖かさに乗じて落葉樹も芽差しが感じられる。

若芽1.jpg

若芽2.jpg
今の時期にしては枝先の色が濃いように感じる。

それらの木々の間を抜けて目的の池畔へ着く。
池の周囲をグルッと回ったが、生き物がいる気配がない。
その時、足元に小さな花 スミレを見つけた。
いつぞや、スミレの同定に大苦戦して以来、スミレは撮らないと決めていた。
しかし、今日は撮れ高が期待できそうにないので、保険的にシャッターを切った。

タチツボスミレ.jpg
タチツボスミレ
スミレを検索したら、真っ先に出てきた。
花弁の模様、葉の形状が一致してすぐ判った。
ごく普通種だから当たり前だろうが、ちょっと拍子抜けの体でやれやれした。

次のところへ行く遊歩道の傍らで、日陰にヒッソリと咲いていた。

シュンラン.jpg
シュンラン
昭和30年代にはこの辺りは多産地だった記憶がある。

この後、旧街道の細い道へ出た。
通りを挟んで向こう側に広がっていたのは

P1050750.JPG
ハナダイコンの花達
昨秋、別のルートからここへ来たときはクリの木が茂っていたので、その下がこんな事になっているとは判らなかった。
これなら、ずっと探しているツマキチョウも期待できるかも。

旧街道をウロウロしていたらチョウの姿が見えたので、断りを入れて畑の縁へ入らせてもらう。

ルリタテハ.jpg
ルリタテハ
越冬明けの個体だ。
一昨年は見かけたが、昨年は見られなかったので、2年ぶりの出会いとなった。

陽当たりのいい枯草場で

ツバメシジミ.jpg
ツバメシジミ
発生したての綺麗な個体。
後翅の尾状突起が見て取れる。

旧街道を行って、遠回りしながら元へ戻るように歩く。
途中の小さな草場を柵越に覗いたら、小さな虫が何頭も飛んでいる。

ビロウドツリアブ.jpg
ビロードツリアブ
体長1cmぐらいの春季1化性のアブで、ツンと伸びた口吻が特徴。
その口吻を伸ばして、オオイヌノフグリで吸密している。
体毛がビロードのようで、ホバリングが上手く空中に吊るされたように見えるので、この名前になった。

ビロードツリアブに夢中になっていたら、寄りかかっていたコンクリートの柵に8ミリほどの虫が付いていた。
取り敢えずシャッターを切ってモニターで確認したら、何が写っているか判らない。
フラッシュを焚いて撮ったら、こんな虫が写っていた。
これが難儀の元だった。

家に帰って良く見たら、ハチだかアブだか判らない。
仕方がないので、両種を検索して調べる。
夕方から調べ始めて、深夜になってようやくハナバチの仲間らしいと見当が付いた。
それからハナバチを集中的に検索し、やっとニッポンヒゲナガハナバチと判明した。

ニッポンヒゲナガハナバチ.jpg
ニッポンヒゲナガハナバチ
背中の丸さ、体毛が茶色い事、翅のたたみ方、腹部の縞模様、肢に生える毛の様子などから同定した。
ヒゲナガの名の通り触角は長いのだが、写真では短く見える。
被写体とカメラの位置関係で短く写ったものと思われ、何百枚かチェックした写真にもこのような写真が掲載されていた。
この虫も、春季1化性で今頃しか出現しないらしいので、難儀したけれど良い出会いとなった。

昆虫にも草木にも春が来ている。
出掛けるには良い時期だから、次はどこへ出かけようか。



posted by massy at 16:57|

2023年03月07日

春が来た

ここのところ春を先取りしたような暖かい日が続いた。
この暖かさで冬鳥のヒメハジロは帰ってしまったので、川の方へ行かなくなった。
そこで、しばらくご無沙汰していた水路のほうへ行って見た。
水路沿いの遊歩道に降り立ったら、目の前にカワセミのオスがいて、何ヶ月かぶりの出会いとなった。

カワセミ 1.jpg
カワセミ オス

上流で河川工事をしているので、頻繁に濁りが入る。
濁りが入ると姿を見せなくなるのだが、昨日は濁りが入っていなかったので、餌を求めて下流部まで降りてきていたようだ。
少し上流にもメスがいて、ペアで営巣すれば良いが餌の捕りにくいこの辺りでは無理かもしれない。
工事の終わる再来年以降に期待したい。

そのままゆっくり上流方面へ歩いていたら、土手の草むらからモンキチョウが飛び出してきた。
この辺は食草のシロツメグサやカラスノエンドウのマメ科植物があるので、メスを待ち受けているのかも。

モンキチョウ 1.jpg
モンキチョウ オス
昨年の晩秋に、土手の積み石の隙間で蛹になり、早々と羽化した新生チョウで今年の初見だ。
体を斜めにして、体全体に太陽光が当たるようにしている。体を斜めにする行動は、春季初期の他のチョウ達にも共通している。

2月に半ばからこの周辺へは来ていないので、とっくに発生していたかもしれないけれど、このチョウを見ると春が来たという感じがする。

昨日はちょうど啓蟄だったし、初見のチョウに出会えてよかった。
これから色々な虫たちが出てくるので、自然観察が忙しくなる。



posted by massy at 23:29|

2023年03月01日

11年目に入りました


JR日光駅.jpg
JR日光駅

今日から11年目に入りました。
一時休載していたブログも1年半前ぐらい前から再開しているれど、新型コロナもあって思うように活動できていない。
今月の半ばから特定の場所以外マスクの着用は自主判断で良くなり、その後インフルエンザと同等の第5類への移行も控えている。
活動環境としては良くなりそうだが、厚生省の発表する感染者数には自宅療養者がカウントされていなかったり、死亡者の8割が高齢者だったりで、まだまだ気を許す訳にはいかない。

車の免許を返納し、車も手放したので、行動範囲がグッと狭まり、公共交通機関を利用して、半日程度動いてもなかなか良い成果が得られない。
それでも新しい出会いを目指し、最低月1回の更新を今期も頑張りたい。


posted by massy at 09:00| 雑記

2023年02月26日

旅立ち

前回のブログに掲載したヒメハジロが旅立ちました。

12月7日、多くのカモ類に混じって、白い模様のカモがいるのを発見し、カメラに収めた。
周囲に尋ねる人も無く、自宅へ戻って図鑑で素性が判った。
図鑑には迷鳥と書いてあったので、1週間ぐらいで何処かへ行くだろうと思っていた。
何時まで居るか確かめるために始めは1日おきに川へ通ったが、日に日にカメラマンの数が増え、珍しい鳥が飛来したことを実感した。
このヒメフィーバーともいえる現象は年明けまで続き、最近では10人程度まで減っている。
私も1週間に1回程度川へ行き、泳ぐ姿を確認して、写真を撮らずに帰って来ていた。

先週はヤボ用が重なり、川へ行けなかった。
今日行って見たら、カメラマンが一人もおらず、ヒメも居なかった。
近くでフィールドスコープを覗いている方に尋ねたら、18日が最後だったようですと言われた。
それを聞いて、他の場所へ移動しているのではないかと下流方面のカモやサギ類の集まる場所を見に行ったがその姿はなかった。
何時まで居るか、1羽で帰れるのかと心配していたが、ついにお別れの日が来てしまった。
2ヶ月ちょっとの間、いい夢を見させてもらった。

ピンボケや配置の悪い写真は削除して、500枚位の写真が残った。
その中から、思い出の写真を載せて見た。

12月7日.jpg
12月7日のヒメハジロ
名前が判らなったので、とにかく激写した。

潜水.jpg
浮上しても短時間で潜水してしまうので、タイミングが悪いとこんな写真になってしまう。

オオバンと.jpg
1羽では寂しいのか、オオバンと寄り添うように泳いでいる。

ホオジロとヒメ.jpg
こちらは、ホオジロガモのメスと一緒。

ヒメハジロ 潜水.jpg
3週間ぐらい前には人馴れして川岸近くへ来るようになり、潜水する姿が良く見えた。

羽繕い.jpg
泳ぎながら羽繕い。

羽ばたき.jpg
立ち上がっての羽ばたき。

最後.jpg
2月9日に撮ったこの写真が最後になった。

さよなら、ヒメハジロ。そして楽しませてくれてありがとう。

ヒメハジロのお陰で、ここがカモ類の越冬地として知られたのか、以前より訪れる人が多くなった。



posted by massy at 18:00|

2023年02月23日

春遠からじ

節分、立春が過ぎ、ガラス戸越しに見る陽光も春めいてきた。
そんな日差しにつられ、春気分で出かけると意外に寒かったりするのが今頃の陽気だ。
それでも、日に日に春遠からじと感じる。

昨年の12月に飛来したヒメハジロは、ひと冬をここで過ごした。
見つけた当初は1週間程度でどこかへ行くだろうと思っていたが、この川原でヒメフィーバーを起こした。
連日、大勢のカメラマンが詰めかけシャッター音が響いたが、最近では10人程度に減り、泳いでいる姿を撮り飽きた人は飛び立つ姿を撮ろうと、寒風に晒されながら根気強くチャンスを伺っている。
一時行方不明になったとの情報があったらしく、カメラマンが一人もいない日があった。
鳥屋さんの情報の速さに驚くが、その日ヒメハジロは戻って来ていて、悠然と泳ぎまわる姿を独り占めした。
飛来当初、広い川幅の中程より向こう側にいたが、最近では人馴れして手が届きそうなところまで来るようになった。

ヒメ 潜水.jpg
近いので、潜水する姿が川岸から丸見えだ。

この川原の上空にはオオタカが頻繁に出現する。
ある日川に着いた時、オオタカが上空で左旋回するのが見え、何か白いモノを掴んでいるように見えた。
地味な色のカモ達に混じって、白く目立つヒメハジロは襲われる危険があり、「やられたか」と思った。
川原を斜めに突っ切って、ヒメハジロが居る方向へ急いだ。
ススキの間から何台ものカメラが見えたので、「大丈夫だった」と安心した。
最近では、何時までいるのだろうかとか、一羽で北米の方まで帰れるのだろうかとか、写真もそっちのけで噂しあっている。

昨年来よりヒメハジロが話題を提供してくれているが、その他の成果は乏しい。

クロスジフユエダシャク 1 .jpg
クロスジエダフユシャク
昨年末に1頭だけ見つけた。
フユシャクシーズンの初期だったので、その後あちこちへ出かけたが全部空振りだった。
フユシャク類は成虫になると食事をしない、と言うよりも水分を摂取すると体内で凍ってしまうので食事器官が退化したと考えられている。
それでも、1ヶ月程度は活動するらしいから凄い生命力だ。
メスは翅も退化している。
歩き回りながら、尾部から出すフェロモンでオスを呼び交尾する。
そういうメスを長年探しているが、今シーズンも会えず仕舞になりそうだ。

ツグミ 1 .jpg
ツグミ 2月になって今シーズンの初見。
いつもは12月にいるはずのグランドへ出かけていたが、飛来数が少ないのか最近になってようやく出会えた。

カンアオイ.jpg
カンアオイ
定期的に観察しに行くが、まだ花をつけていない。

ハンノキ.jpg
ハンノキ
条件的には有ってもおかしくないと探していたら、池の端に1本だけ生えているのを見つけたけれど、1本だけでは私の好きなミドリシジミを期待できないだろう。
花粉飛散の先駆けとなる木だが、房状の花はまだ咲いていない。

もうすぐ陽当たりの良い南向きの土手に、新生チョウや成虫越冬したチョウたちが現れるだろう。
それまで、もう少しの辛抱だ。



posted by massy at 16:00|